水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

ロンドンで強盗と間違えられた

お前盗んだだろ!

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Artwork by Satoshi Dáte

フラットメートの韓国人Choは僕らの関係がぎこちなくなり始めてきたときに、謎のいとこを韓国からつれてきた。

彼女の英語はベーシックであったが、なにより非常な不気味さをかもしだしていた。後ろに髪をとめる韓国人女性がよくするヘアセットのひと。顔はとても韓国人ぽく、はだ白く、頬は少し荒れていた。

 

彼女は僕らの行動を共にし、なんだかChoは親か誰かに言われてしょうがなく面倒をみてるようだった。 男性性を誇張するためか、面倒をみてやってるぞ、的な感じも受けた。

 

あるひ、Choの彼女Min(もちろんこの二人の関係は従兄弟に内緒)の大事なアクセサリーが盗まれた。もしくはなくなった。

 

そこで彼らが取った行動に僕は非常に驚いた。

 

これはたしかに日本でもやる方法かもしれないけれど、今の僕にしてみたらありえない。

 

Minは

 

「疑うわけじゃないけど、みんなの部屋をチェックしていい?」

 

とそのとき

タイ人のKayもたまたま滞在していた。

 

僕らはなんとスーツケースの中身などすべてを出して彼女とChoに見せなくてはいけなった。

 

僕はかなり唖然とした。

そのときもし見つかったらどうするのか…

 

これは本当にこの行動をみて皆はどう思うのか。

 

Kayは言う

「そんなアクセサリー盗むほどお金困ってないし。ていうか絶対あの従兄弟でしょ。盗まれたとしたら、あの女最初っから妖しいし不気味。」

 

僕はそこまで考えていなかったけど、Kayはもしかしたら正しいかもしれないと思った。

 

このことについて深く考えてみると

 

何かが盗まれたときに、不特定多数の人を疑って、個人的なものも含みすべてをさらけ出して捜査するのはいかがな物かと思う。

 

一緒に住んでいて、しかも友達であると主張するのであればなお更である。

僕はこのときからかなり二人から距離を置きたくなった。

 

もしかしたらこれはMinだけのアイデアかもしれない、もしかしたらChoのアイデアかもしれない。どちらにしても誰も止めなかったのがおかしかった。

 

今の僕ならぜったいやらない。

 

そこで僕は昔にあった出来事を思い出した。

 

小学校5年生くらいのときか、背の高い発言力がある同級生がのおもちゃのカードか何か大切なものを盗まれたみたいだ。僕はたまたまその時ちかくにいたのか、彼女についていったか覚えていないが、小学校1年生のクラスに行き

 

「あなた私のもの盗んだでしょ。 だしなさい」

 

と、記憶にはないが言い方が非常にうまく、彼らはすんなり諦めて正直に盗んだものを差し出した。

 

僕はこの女性を見て「なんて大人なのだろう」と思った

盗んだ彼らを否定をせず、そして誰が盗んだかも確信してそこにたどり着いている。

 

この小学校5年生の同級生とMinの違いがなにかはっきりしてる気がした。

 

物を盗む行為とは何かからっぽになった自分の空虚を埋める行為であると思うが、それを疑い、攻撃することもまた、空虚を生める悲しい行為であると僕は思う。