水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

韓国人女性は本当に恐い?

切り裂きジャックのいた地域で女性に大声で怒鳴られた

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Artwork by Satoshi Dáte "Satomi K-p032"

Choの話の前にMinについて話す。

僕らはあまり近くなかった。

恋人と一緒に住んでいて、僕が男性という事もあったのか、なにか距離を感じた。

Choの部屋で普通の会話をしてるときだった、クラシック音楽のことについて話していたら、なにが好きか?という話になった。

 

Minはピアノを練習してきたようで、僕は彼女にいろいろ聞きたくなったのだ。僕はBach(バッハ)が好きだ、といったが、彼女はバッハを否定した。 彼女は確か、モーツァルトが好きだ、と言っていたと思う。 僕は喧嘩をしたわけでもなく、否定するわけでもなく、モーツァルトがあまり好きでないという率直な感想を彼女に伝えた。 僕はクラシックのトレーニングもしてないし、曲名もしらないし、精通してるわけではない。 ただ僕の感想を言ったまでだが。

急に彼女は大声で

 

「あなたなんかになにがわかるの! 私はこれまであなたよりもクラシックを勉強してきたのよ!!!」

 

と顔を真っ赤にして叫ばれた。

 

僕は口を大きく開けてびっくりした。

 

5秒位したら、彼女が納まったようすだ。 

隣にいたChoが

「なんでそんなことで大声を出すのか俺にはわからん」

と首を振りながら、下を向いていた。

Choの言うとおりだ。

 

Minは少し恥ずかしくなってそのあともごもご言い訳を言っていた。

 

ここではじめて

 

「韓国人の女性はいや」

とボストンであった韓国人男性に言われたことを思い出した。

 

「すぐ切れるし、強いし、恐いからね」

と。 体が小さな、優しそうな音楽家が僕に伝えたのを思い出した。

 

僕のそのときの韓国人のイメージは眼が切れ長で綺麗で、やさしいイメージだったので

全然彼の言った意味がわからなかった。

 

僕がボストンでなかよくなった、美しい韓国人チェリストもとても素敵な人だった。

 

そしていま

 

「なるほど」

こういうことか、と思った。

もちろん日本人女性も沢山なヒステリーな人がいる。

 

韓国で多いのはやはり、それだけ女性に社会的抑圧があるからだろうと、今になれば納得できる。

 

子供だった僕はただ「韓国人女性は恐い」

と差別的に信じてしまったのだ。

 

けれど、そのあとも、Minとは仲良かったし、韓国人女性の友達も増えていったのだった。

 

久しぶりに女性の叫び声を聞いて新鮮であった。