実ろうか
またか。親友(?)のアンドレアが登場した。今年の初めにアシスタントだったM.Y.
天井が高くて、アットホームな木造の空間。 イギリスっぽい大きな窓が右手にあって、40-50cm長方形枠の小さい格子で無数に窓が区切られている。
外は寒そうだ。
アンドレアとあと男3人でなにかビジネスかプロジェクトを行っているようだ。
男4人はイタリア語を話しているようだ。 M.Y.は頭の回転がよさそうに、キャリアウーマンのようになにかを話している。 さっとしゃがんだ場面があったが、そのしゃがみ加減も美しく、気品があった。
まるで亡くなった画家の叔父が紹介してくれた女性のようだった。 その女性はおじと結婚する予定だった。彼の個展の時にあらわれ。
「よろしくね」
と にっこり笑われ、僕は顔をあからめ目をそらした記憶がある。
叔父がつれてきた結婚相手でいちばん素敵な人だった。 あまりのも美しかったために、叔父が取られるようで複雑な気持ちだった。
残念なことに、彼女両親は伝統的な考えの人で、芸術家といっしょになるなら死んでやるだかなんだか言われて、親のいいなりになり去っていったそうだ。
祖母の、母も、親のいうとおりにするなんて、きっと彼女にもそういう考えがあるのだろうと。かえるの子はかえるのような言い方をしていた。
いま思えばそんなことはないとおもう。彼女は結婚したかったが抑圧が強かっただけで、そういった状況の人は世界中にごまんといる。
僕はあの女性が僕の義理のおばであったらよかったとおもった。
叔父も自分の兄とにて内弁慶なのかもしれない。 彼女には仮面の彼しか見せていなかったかもしれない。
結果どうなったのか今となってはわからない。
M.Y.は僕のほうなど気にせず、にこやかにして、アンドレアとビジネスのはなしをする。彼らは上にあがっていって、ぼくのおなか中に安心と嫉妬の気持ちがちいさく灯る。
彼女が音信普通になって数ヶ月たっているけれど、楽しく生きてることにほっとしたことと、親友である彼と、そして話をしたかった彼女がふたりでなんだかわからんことをやってることに、僕の無意識はやるせなかったのだ。
僕は転寝したのか、安心しきって別の作業をしていたのか、
はっとおもって、僕は彼女と話しをしなければいけない。二人きりで時間を過ごしたい。という強い気持ちがあったことを思い出した。
僕は大きな木造の階段を息が切れるほど急いで上り、誰かの横に何かをはなしている彼女の背後にとびつき、右手をぐっと掴んだ。
その女性は10度ほどちらっと後ろを向く。 その時点でM.Y.でないことに気づく。
「彼女ならずっと前に外にでてったわ」と違う女性だった。
僕は失望と不安の気持ちでいっぱいになった。
「また会えるだろう、いやもう会えないかもしれない」
女性はとなりいる人と話をつづけ、僕はだれとも関係性がないこの空間で寂しく思った。
チャンスを逃してしまった。
分析>
昔大恋愛をしたY.O.さんと状況がにている。 会えないといって、会いに来て、僕が無理やりデートに誘ったのだ。 M.Y.にたいしてどういった感情をもってるか僕自身わからないが、近い存在であるのは間違いなかった。
そういえばM.Y.はいつもおいかけてしまう。その叔父の妹、わかくして亡くなった叔母にもよく似ていた。
Happiness: 3
Reality: 3
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