水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

ロンドン2回目の引っ越し

部屋を出る決意を伝える

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スリランカ系ホストの彼は残念そうだった。

 

(無料の芝刈りと子守りがいなくなって残念なのか?)

と心の底で思った。

 

「エージェンシーにいくら払っている?」

といってきた。ここを紹介したエージェンシーのことだ。

 

「OOです。」

というと

 

「じゃあ僕らはOOでいい。エージェンシーには何も言うな」

 

(この人随分筋が通らない事しようとしてるな…)

 

だけど僕はもう決めていた。

 

「決めたことですから」

と僕は背筋を伸ばして、目をまっすぐにして意志を伝える。

 

「…どこにいくんだ?」

 

「Kilburn(キルバーン)です」

と即答すると。

 

「Kilburn…あんな危ないところに行くのか、黒人に撃たれて死んじまうぞ」

 

と差別的な発言をした。

 

「あなたも相当肌がお黒いですが」

と言いたくなるほど彼は肌が黒かった。

 

このアジア人(インド系)と黒人との違いというのがよくわからなかった。

結構顔だちも似てると思う時がある。

 

何をもって差別しているのか。

 

ロンドンを歩くと、僕の感覚もあたっていて、肌の色が近い同士のカップルをよくみる。

 

けれども、彼の言ったことが少し気になった。

 

(キルバーンは危険なのか…あんまりきにしていなかったけどなー)

 

「あそこには北アイルランドの危険な連中もいるからね。テロリストも潜んでる可能性がある」

 

となんだか漫画の世界に入った気分だった。 これから戦争にいく、僕は小童で、彼が巨体の助言をする敵将みたいな。そんな感じ。

 

「そんな簡単に死んでたまるか」

 

と僕は思った。

 

ひっこしの準備をする。

 

いざ決まると気分が晴れた。

 

こそこそ中国人と密会するのも別に悪いことでない気がした。

 

後で知ったが1か月契約だから途中で出た場合は余った1週間分は返さないよ。

 

といわれた。えーーー!と思ったけれど

 

そんなものなのかと。思った。

 

あとでこの国に住むことが長くなってからそういうものだということが分かった。

 

契約しているから、そう書いてあったからだということで全世界で当たり前の事だけど。別の国に来たばかりの人は結構自分の都合がいいようにルールを作るものだ。

 

最近は、面倒な日本人を沢山ロンドンで見かける、同居人を困らしているのをよくみるようになる。

 

けど自分も同じように日本的なルールを持ち込んでいたことを思い出す。

 

とはいっても、ロンドンなので人によって、交渉、気分次第でそういった契約も変わったりする。