水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

 ブッダの悟りを導いたヴィパッサーナ瞑想 体験談 2/7

10日間何もしゃべれない。

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 2日目 
 自分が男性でなくなっていくように感じた、ただそれは女性に変化していくということでもなかった。変な感じだった。男性に囲まれていたが、だれも僕をいじめてこない。静かないじめ。物理的に攻撃することはここでは不可能だった。

そんな自信のない考えもすべて僕が作り出していることだ

 限られたことしかここではできなかった。だから自分の体や精神をいたわることができた。伸びをしたり、歩いたり、考えたり。


 3日目 

一緒に来た僕の友達を女性のエリアに見つける。初日にはなしをしたブリストルからきた男がにやにや笑っているのを食堂で見る。不気味というか面白いというか、なにもコミュニケーションとれない人たちを観察するのはおもしろい、ときどき笑っている人を見つけた。

 

僕らは精神病院に一緒に暮らしてるようにも感じる。


 瞑想中、意識がある夢をみることができた。(もしかしたら誰かの夢を見ていたのかもしれない。後で聞いたが瞑想をみんなでするのはよくないらしい。というのは、悪いエネルギーなど持っている人がいるとそれを吸い込んでしまうからだと)


 意識の夢で玉石がたくさんでてくる。水が真ん中からでてきて、池になる。大きくなったり小さくなったり。場所はいま寝泊りしている家の前にある工事中の庭だ(四角になってる)。アニメーションになったヒツジ、ちいさな羊があらわれる。たくさん。木の柵のわきに。
 毎日創設者のビデオレクチャーを大画面で瞑想室でみる。この日ビデオにむかってお辞儀をしている生徒をみかける。

 

4日目
 朝早くに散歩の道を歩くのは実に快適だった。みんなが眠る宿泊施設から大きな瞑想ホールからさらに先に100mほどあるくとあるちいさな平野。真黒な木の影の端っこが真っ暗な空にみえる。だれもまわりにいない。ヨーロッパの小説や映画のワンシーンのようだった。風が強くてとても寒かった。


 瞑想で段々感覚が鋭くなった(あらゆる体の感覚を鋭くさせる訓練をしている感じだ)。


 大きなシャワー室があるバスルームが自分の建物にあることに気付く。12時以降オールドステューデント(前に一度以上瞑想に来てる人たち)と同じように食事をとるのをやめたため、皆がティータイムでおやつを食べているときにシャワーを浴びることにした。足を熱いお湯にいれて体を温めた。


 瞑想はより辛くなってきた。この頃から1時間一切動かない瞑想をはじめる。座禅を組まないだけましだったが、最初はかなり苛ついた。段々このコースを友達に紹介できるかどうか疑念が生まれてきた。

続く