水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

真っ白の中の真っ白い人達

ニューヨーク大学の一番大きなキャンパスにつく

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天井がそんなにたかめでないホールに僕はいた。  

淡く白い、やわらかい生地で出来た円状の椅子が円状のテーブルのまわりに低い位置で無数に置かれていた。

散らばるテーブルにまぶしい光がガラスの壁から途切れなく照らしていた。

 

夏が始まりそうな美しい光が全体をさらに白く眩しくしていた

 

SF 映画のようなそのホールで日本人の男性と女性が座って話していた。

 

もう海外生活して、3週間も経って打たれ強くなったかと思ったら、日本人を見た瞬間、僕は臆病になった。

 

 BOSTON MUSEUM の付属の学校でもそうしたように、僕は日本人のところにいき、

 

藁をもつかむかのように話しかけた。

 

「日本人ですか?」と

 

日本人に決まっているのに問いかけた。

 

だからどうしたのだと言われるかと思ったが、

 

「はい」

 

と感じよく答えてくれた。

 

彼らは話を聞いてくれた。

 

「大学の見学にきたんです。」

 

「そうなんですね。来てからどのくらい居るんですか?」

と聞かれる。

 

「NYついて1日目です」

と答える。

 

彼らは目を見合わせて、

「1日目にそんなに行動してるの、すごいね。僕なんか数週間なにもしなかったよ」

と褒められたけど。

アメリカに来て4週間目である。

僕は怖気づいて全然何もしてなかった。

 

ニューヨークに来るのも遅れ遅れになっていた。しかもあと僕は2日3日しか時間が残されてない。

 

のんびりなんてしている時間なかったのだ。

 

彼らにはそのことは言わなかった。