水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

アメリカ人のレベルが高い理由

高校ブロードウェイ 

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ひろしさんが高校のミュージカルに連れて行ってくれた。 彼はいろんな場所で演奏する。 今回はある芸術学校のミュージカルの発表会だということだ。 芸術高校か...と考えて僕は完全になめていた。

ボストン中心部から車で1時間ほど行ったところに学校はあった。ちょっと田舎の雰囲気である。 大きな講堂の中に入る。コンサートホールのように立派なものだった記憶がある。

 

制服を着た女子高生が男子高生が階段を上り下りしてはしゃいでいる。 みんなとにかくうるさい。非常にうるさい。 コンサートが始まるまで僕は我慢した。 

 

舞台がはじまり、僕は唖然とした。

 

ミュージカルなんてほとんど見たことがなかった。 でも彼らの歌のうまさに本当に感動した。

 

完全に見入ってしまった。 

 

メインの主役の人はあまりうまくなかったが、二番手のキャラクターの人はとても綺麗な声をしていた。後でヒロシさんと話をしたがやはり、彼も同感だった。 見てくれが主役の顔ではなかったからだろうっていう話をした。

 

高校生のレベルではない。

 

こんな学校がゴロゴロアメリカにあるのだろうか?

 

合唱団に入っていた時にペンシルバニア少年少女合唱団が来て度肝を抜かれたことがあったのを思い出す。

 

何しろ歴史が浅い日本にミュージカルをやりましょうといったって、無理な話だ。僕らがあるのは歌舞伎と能ぐらいである。かなうわけがない

 

僕はオープンマイクもやってこの舞台もみて、アメリカという国の芸術のレベルの高さをなんとなく知った。 とにかく技術が素晴らしい。 レベルがすごく高いのである。

 

こういう子たちがブロードウェイに行くのだろうなと感じた。

 

ヒロシさんが休憩の時間に僕の席まで上がってきて、

 

「こいつら本当うるさいだろ、日本じゃ考えられないよな」

 

としょうがなさそうに、呆れて言った

 

このうるささと行儀の悪さというものがもしかしたら音楽のパワーに変わっているのかもしれない。礼儀正しく振る舞わなければいけない、日本人はなにか抑圧されて生きているのではなかろうか?

 

行儀悪いみんなは観客だったわけだが、彼も芸術を勉強しにこの学校に来ているのだ、いざ表現するとなったら舞台にいる人達の様に豹変するのだろう。 彼らの集中力は素晴らしいものだった。

 

若い頃からもう命をかけているそんな感じがした。