ホストファミリーから脱出
気候は段々と暑くなって。じりじりと腕が焼けていく。勉強机は移動できず、ただ語学を勉強することに集中した。日が落ちて、夕食の時間が来るまで、テレビもラジオも娯楽も友達との会話もない僕は、ただじっとこらえて、夕日の日照りと溶けそうなペンと時間を共にした。
イギリスに着いてから携帯電話を手に入れていなかった。
だからぼくは公衆電話から電話をするしかない。
テレフォンカードみたいなのがあるが、これがまた高い。
家探しのために何件か電話した。
その中で感じが良かった、中国人と何回か話した。
ホームステイ先の近くの公衆電話だったので、すこしドキドキした。 ステイのあとに別の家に行くとはホストに伝えていなかったからだ。
僕が電話しているところをみられたらどうしよう。とどうでもいいことを気にしていた。
一度、その部屋を貸そうとしてる中国人の女性が、ステイ先に電話してきたことがあった。
ステイ先のホストの奥さんが
「あなたと似たアクセントの女性がなんやら電話してきたわよ」
と。
電話番号を教えてしまったのはまずかったかも。と思ったが。
携帯電話もないので、ホストの電話を教えるしかなかった。
僕はすこし躊躇したけど、中国人の住まいの家に下見に行くことにする。