エビはもともと赤い
ロンドンの友達の家に行った
熱帯魚が水槽で泳いでいると思ったら
エビもいるよと友達に言われた。
よく見ると小さいエビがわんさかいた
みんなの動きがとっても可愛くて
見入ってしまった
魚もとても綺麗だったけど
エビを眺めるのは初めて
ヴィーガンになろうと頑張っている僕ですが
エビはあんまり好きではない
もちろん食べれるけれど
エビのことを考えて食べると気持ちわるい
そしてあまり美味しいとは思わない
カニが美味しいと言うけれど
あれは何かおやつのような気がする
繊維だけ食べてるのが面白くない
お魚料理の方がまだご飯を食べてる感じ
そんな好きでもないエビをじっと見てると
小さい可愛いらしいエビが
僕を見てはっとするのだ
黒いお目めが
昔飼っていた柴犬のようだ
本当に漫画のようにハッとしたんだ
少しそれは僕の方に突進してくる
何本もの足で水をかきわけるのだが
ゆっくりしか進まない
ゆっくりと猛突進してくる
ガラスの壁にぶつかる
僕たちは見つめ合った
思わずキスをしたくなってしまう
エビと人間の恋愛なんてあるのだろうか
僕はしょうがないのでハアっと暖かい息を吐いて
愛情表現
しかし考えてみれば雄か雌かもわからない
それは真っ赤になっていた
恥ずかしくて真っ赤なのかどうかわからないけれど
エビは茹でなくても赤いことに気付いた
このエビは女性なのか男性なのか。
同性結婚は
イギリスではオッケーであるが日本ではダメだ
では日本にこのエビを連れて帰ったら
結婚はできないのだろうか
イギリスで結婚して
日本に連れて帰ったら離婚することになるだろうか
聞いた話だけれど、日本で同性結婚を認めないのは人口が減るからという理由らしい
わけのわからない理由である
同性結婚を認めたら全員、同性恋愛を始めるのだろうか
面白そうだから試してもらいたい
それに人口が減少したっていいじゃないか、
人を物みたいに言わなくてもいいじゃないか
ここにエビと人間が恋する恋愛があるくらいだから
人口がどうのなんて話、聞きたくない
それは僕の息に満足したのか
愛想を尽かしたのか
左にくるっと向いて
水中の中を高く高く泳いで行ったのだ
このエビと僕は水上でまた会うことあるだろうか
