水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

初めてイギリス人男性と話す

イギリスの大学は1年と3年

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そばかすの篠山さん その頃描いた絵 Artwork by Satoshi Dáte

そういえばアメリカに行ったとき、イギリス人がいなかった。イギリス人なんてアメリカに来ないのだろうか?アメリカ全土のイギリス人人口は10人も満たないのだろうか? 逆にいえばイギリスに来るアメリカ人なんて大使くらいなものだろう。と思っていた。

 

同じ予備校に通っていた留学希望の篠山さんとイギリス留学フェアの会場に行く。女性と一緒にどこか行くことに緊張していたが。面接官に対しての方が緊張した

 

あった

 

Central St. Martins(セントラル・セント・マーチンズ)と書いてあった。

がっしりした男性が待ち構えている。 僕らは列に並んで待つ。

 

僕はその日にまとめてきた絵を見せた。 日本の美大受験用のグラフィックの作品は一切持っていかなかった。 

 

そうしたら彼はとても僕の作品を気に入ってくれたようだが、

 

「何で君はファインアートへ行かないんだ?」 

と聞かれた。

 

「ファッションをやりたいんです」

と僕。

 

彼はすこし困惑した様子で、ファインアートならすぐBA(大学)に入れるよ。と言われた。 しかしファッションを始めるなら、君には経験がないようだからファンデーションコースから始めないといけない。 

 

と言われる。

 

ファウンデーションコースとは1年間、大学に入る前の予備校のようなもの。 大学と関係しているので、日本のようなプライベートな予備校とは全然違う。 1年間の予備コースみたいなものである。 

これから4年間も勉強しなきゃいけないのか。 と考えると非常に苦しかった。イギリスは3年コースと聞いてたので、できるだけ早く終わらせたくてしょうがなかった。

 

何しろアメリカで、僕は絵が描けるということを分かってしまったので、イギリスでも日本のレベルは高いという認識があった。 またすこし自信過剰になっていたのだろうか。

 

彼のイギリス英語も聞き取りにくかった。 イギリスの英語はここまで違うのかと思い知らされる。

 

帰りに僕は少し考えて、うつむいてるところに篠山さんは

 

「伊達君ずっと英語で喋ってるんだもん、日本語はなそうよ。って思った。」

 

彼女はあまり英語を理解できないようだった。 ボストンに行ったかいがあったけど、1か月そこらの滞在じゃやはりこの程度かと思った。

 

そこで彼女とは1、2回会ったくらいでそれから会っていない。 

 

人としては佐野さんの方が深いつながりを感じていた。

 

友達が殆ど0だったのに、少しずつ同じ方向を目指す友達が出来て、土台が固まったようにも思えた。

 

少し先が見えてきたけれど、また壁が現れた感じがした。1年間でファッションを勉強したくらいで、大学に入れるのだろうか? 

 

未知過ぎて見当もつかなかった。 

 

でも結局は一人で旅立ち、成功の道を歩まなければいけないのだなと痛感した。