彼女は話を続ける。
「わたし、イギリス人と日本人のハーフ」
上品な日本語。とはなんだろうか。どうしても彼女の日本語はとても綺麗にきこえる。悪く言えば初老の女性のしゃべり方。でも僕はとてもAttractive(魅力的)な話し方だと思った。
「セント・マーチンズ行くの? 私の知り合いも通ってる。私の大学はロンドンからちょっと離れてるけどね。」
小柄な美しい女性は話し続ける。
僕は英語を喋っていいのか、日本語を喋るべきか迷う。
彼女が横の男と話すときは英語で話していた。 速すぎて何を言っているのか全然聞き取れなかった。
日本人の女性はただにっこりと笑い続けるだけ。
5分ほど話た。 僕の絵を褒めてくれたかもしれない。
「イギリス来たら、連絡頂戴。」 と言ってくれた。
彼女はクールに立ち去った。
がたいのでっかいパンクな男性と背が低くてクールで美しいハーフの女性、そして真っ黒のドレスを着た純日本風の顔の日本人の女性の3人組は僕に背を向けて公園の奥へと歩いていった。
僕はポカーンとしたが、またまた変な偶然が起きたなと思った。
「公園で絵を描いてるといろんな人に会うな...」
彼女の名前はMai Matsumoto。
タイの友達、佐野さんや篠山さんに続いてのNew Friend。 うまくいけば初めてのイギリス人の友達と言えようか。
イギリス留学の間に会えるかもしれない、友達になれるかもしれない。
僕は嬉しかった。
その時僕はとても新鮮な雰囲気を感じた。
彼女のイメージはなんとなく、デイジーチェーンソーのボーカル、ケイト・ガーサイドを思い出す。
知らない人に説明しますと。 Judy and Maryに影響を与えたイギリスのロックバンドです(だと絶対思う)。 あとBjorkと仲良かった人です。