初めて女性と食事に
僕が女性に恐怖を感じている魔法の呪縛がとれたのではなくて。女性と普通に話せたり、会えるようになったのは、僕がその現象を引き寄せてるように思えた。なんかこう自然になった。そんな恐いものではないですよと。静かに引き寄せる何かがやってきているようにも思えた。
予備校でトップだったけど志望校に受からなかった彼女。偶然彼女もイギリス留学を試みていた。一足先に彼女はすでにイギリスに下見に行っていた。クラスで口をきいたこともほとんどないのに。今は会って食事をするようになった。
僕らは表参道でご飯を食べに行った。
女性になれたと言ったが、緊張の嵐であった。
女性の前で何かを食べるというのは非常に緊張する。
パスタを食べるときに彼女はスプーンを使って、フォークでくるくるっとして食べていた。
何も知らない僕は
「なるほど。」
と思って馬鹿みたいに真似して食べる。
緊張しすぎて、どうしたらいいかわからなかった。
食事なんて家族か男性の友達と食べたときしかなかっただから、女性の前での礼儀、女性の前での世間一般の食べ方を知らなかった。
でも自分なりに何をしたいのか、将来の夢などを語ることができた。
昔から僕は自分自身の鏡を遠くに配置してしまう。誰かと喋っている自分がどう見えるか。如何にダサいか。 そんなことを繰り返してきたからすべての自分の行動が恥ずかしく思えたのだ。 またそれは相手にもめえていたのだろう。
僕らは代々木公園にいく。
蚊が沢山いた。ベンチを探したけどタイの女性のお気に入りの秘密のベンチは見つからなかった。
僕たちはしょうがないから街中で座れる場所を探した。人の行き来はあったけど、彼女の前でご飯を食べる必要はなかったから、すこしゆったり喋れた。
僕はそれから時々彼女に手紙を書くことにした。どちらから始めたかわからないけど、彼女も僕に手紙を書いてくれた。
彼女のおかげで、男女間の関係について難しく考える必要がない気がしてきた。すこしばかり楽になったかもしれない。
彼女ももしかしたら男性を意識していたかもしれない。だけど僕がボストンに行って、いろんな人種の人とはなし、なにかオープンになった部分があったのだと思う。 それで彼女の警戒心がなくなったのかもしれない。
自信の無さは、男女間や年齢が違う人達の間に変な隔たりを作る社会が作り上げている気もする。
僕だけじゃなくて、みんなそうなのではないでしょうか？
お互いを尊重する文化があってもいい。でも通じ合えるきっかけをもっと創れたらいいな。
