自分のことだけでいっぱいいっぱい
ロンドンの語学学校、初日の帰りは微妙な雰囲気だった。
みんなも経験があると思うけど、新しい場所での対応は困る。
授業が終わった後、席を立ち上がって
「さー帰ろうかなー」 と声にはださないものの...
だれか一緒に帰らない? もしくはちょっとお話ししませんか?
と心の中では思うのであった。
「ここで数か月孤立するのは嫌だ」
と思う恐怖。
「友達を創りたい」
という願望。
「俺は一匹狼だから関係ないさ」
とかっこつけるか
自分に自信満々な人は、何も言わずに帰る、いや何も考えず、いきなり話しかける。
気が合いそうな人から、もしくは誰でも構わず。
そして気が弱い人は、急いでなにかに追われたように帰る。
「あれ、OOさんもう帰るんですか?」
「わ、わたし用事があって!!」とイギリスにいきなり来て用事があるわけないのに、そんなことを言う。
僕は今までの人生そうしてきたように、何も言わずにスクッと立ち上がり、
お手洗いに行って、
自分が自信満々の人間のふりをして、でもそう思われてなくて、ただの負け犬だと思われてないか不安になって、実は心が弱くて友達が作りたいけど、沢山の人がいるなかでひとりぼっちになるのが、こわいからとりあえず逃げ出しているだけだ
と頭の中でぐすぐす解析しながら、
ゆっくりと階段を下り、
家に直行する。