水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

中学生が一人暮らしの女性の家に訪問 – イギリス留学<準備編>

イギリスに引き込まれていく

f:id:SatoshiDate:20190227184304j:plain

Artwork by Satoshi Dáte

ほとんどの音楽はイギリスのものばかり聴いていた。 小学校の時ビートルズ・ローリングストーンズを聞いていたからだろうか。もちろんアメリカのものも聴いていたけど、僕にはしっくりくるものが少なかった。

 

音楽として心に触れるもの、質の高いものを聴きたかった。アメリカのものは表面的な音楽が多かったのと、音が心地悪かった。

 

ギターの音など詳しくなり、楽器やエフェクトのかけ方だけで僕は毛嫌いした。最近の音楽はアメリカもイギリスもどっちがどっちだかわからなくなってしまった。 

 

完全に英国かぶれだった。 音楽に構わず、イギリスの事と言ったら、すぐ飛びついていた。 何ていうか、イギリスの雰囲気というものがすごい好きだった。 

 

大好きな音楽は耳コピ(耳で聴いて楽譜なしで音楽をコピーしいくこと)して、雑誌で知り合った人のところに行って、この曲はこうだろう?こうでないか?みたいなオタクな会合をしていた。 

 

中学高校でそんなことをしてるのは、きっと日本で数人しかいなかったので珍しがられた。

 

ライブに行くときも僕が最年少で母が最年長だった(母親とよくライブに行った)。

 

文通して知り合った年上の友達は母がロックを聴きに来てるのと、ちっちゃい僕がライブを見に来てることによくビビられた。

 

はじめて、無謀な事をして音楽友達(知り合い)を作ったのは中学頃の事。 

 

音楽雑誌のバックナンバーすべてあげるという、広告をみて、彼女の家が近かったので、いきなり訪問した。(いまでは住所が書いてあるなんて考えられないと思いますが)。

 

いきなり訪問したことに彼女はびっくりしたと思うが、ちっちゃい男の子だったので、特に警戒していなかった。

 

「もう全部わたしちゃったわよ」

 

と黒のスパッツをきた部屋着で現れた。

 

おたがいUKロックオタクなのでアパートの前ではなしがすぐにはじまる。

 

「どんなの好きなの?」

 

と聞かれた。 僕が話しても、彼女は世代がうんと前の音楽を聴いていた。

 

彼女は髪が長く、目がはっきりとして、肌の色が健康的でとても綺麗だった。 

 

「入る?」

 

といわれ、僕は初めて独り暮らしの女性の家に入らせてもらった。

 

中学生のちいさい男の子が20代(?)の女性の家に入っていいものだろうか。

 

入っていいものだろうか?入りたい。この先になにか未知の世界がある。と色々考えるあまり、

 

入るときに漫画みたいに「ゴゴゴゴゴゴ」となんか音がした気がした。