水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

数学の先生 ①

教育とはなんぞや?

 

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                                                                 manga by Satoshi Dáte

また悪夢を見た。僕の夢は最近ほとんど悪夢ばかりで決まって母親のことか中高学校のこと。

今回の夢は自分が数学の先生になっていた。 先生になる試験を受けて勝手に僕は数学の先生とされていた。専門的なことを知らなくても先生なんてできるのだろうか。

 

初めの場面は東京の実家。 積み重なったビデオを狭いレコードが入った棚の中のレコードデッキの後ろに積み重ねる。

 

場所は変わって僕が通っていた男子校。新人だからかぼくをアシストしている先生がいた。ちょうどその時試験だった。皆書き終わったものを集める。番号順に揃える。

 

一番最後の列から5番目くらいの変わった男の子が、僕をみつめる。包装紙のような茶色の紙で答えが殴り書きされていた 。僕はこれは何か尋ねると、彼には彼のやり方があるらしい、答えを一つにまとめた。質問を見る必要もないらしい。

 

彼は特別な人間で特殊なことができて、みんないろんなことはできるけど先生にはできないというようなことを言っている様だった。 僕はすこしショックを受ける。

 

試験用紙の束の上にはなぜか柔らかい布がおいてあった。僕はどれもこぼれ落ちないようにしっかりと掴んで職員室へ向かった。

 

ヨーロッパに時々来る合気道の先生がいる(現実のロンドン生活で)。ここにいる中学生たちは頭でっかちで、運動もしないけれど面白いアプローチをしているみたいなことを関心そうに言っていた。

 

職員室に入ると、何やらざわざわやっている、代表的な人はマイクを持って何か喋っている。僕はめんどくさいなと思いながら、頭をうつ向け気味にして、自分の席を始めて見つける。感じのいい先生が、

 

「伊達先生はここ、すいません伝えてなくて。」

 

そしたら 

「ごめんなさい違うとこでした」

 

と間違ったような言い方をしたが、直感的にそこが自分の席だとわかっていた。

そしたらまたごめんなさいやっぱりここでしたと彼に言われた。

 

これはよく学校で席替えをする象徴ではないか? 席替えが僕は嫌いだった。好きではない人のところはいやだ、前はいやだ、端っこがいい。 でも後ろ過ぎると黒板の字が読めない。

 

いま考えていたら何年も苦痛の学校に良く通っていたものだ。 歴史の授業は好きだったけれど、なんだか別の惑星でこれ以上痩せたら折れるんじゃないかと思うような、生気の抜けた宇宙人みたいな先生が黒板の前でぶつぶつ言っている。 

 

この教壇というわけのわからない、、この段差はなんだ?なんでぼくはここにいるんだ?世界は動いているのに、もっと僕らは重要なことをしなくてはいけないのではないか? そんな思いを常に感じていた。

 

でも周りの圧力で、部活への関心、文化祭、勉強、成績、大学。ぼくは普通の中学生のふりをしていた。

 

いや大学に関しても将来に関しても、先生は単なる先生で人生の先生ではないのだ。。。そこに教育の問題がある。 だから中学のはじめは、

 

「将来の事はいい、大学の事もまだいい、若いから考えないでいいよ」

 

と先生たちは言う。

そうだろうか?それは一理あるが、ぼくは小学校のときから何かを目指していた。

子供のころから死ぬ気で何かをしたっていいのではないか?でもそれが人生ではないのだろうか? 

 

まあそう力むなよとか言うだろうけど、過労死するぐらいに働いている日本人たちがなぜそういうのか? 子供のころから過労死するぐらい働いたらなんでいけないのか?なぜ大人になったら過労死するぐらい働かなきゃいけないのか?

 

いや僕がいいたい事は、生きる目的についてです。

 

「働く」WORKという行為は目的なしにガムシャラに働くのではなくて、自分自身のために自分の世界のために働く事。

 

それを10何年もだれも教えてくれなかったのだ。

 

いや叔父以外に学校で誰も。 いったい全体この学校と言う不気味なカルト集団はなんなのだろうか。いっそ爆破してしまえばよかった。誰もいないときに、何もかも。

 

人を殺めていないのだから、せいぜい少年院にはいるくらいだろうか?

そこで演説をすればよかった。 

 

といっても、その頃そんな勇気も何もなかった。

続く>