水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

セロ弾きのヒガシさん – イギリス留学<準備編>

楽器(形容詞)の誰誰さん 

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うちの母親はヴィオラ奏者である。なのでときどき、演奏会がある。

なのでときどき演奏を聴きに行く。

なのでときどき他の演奏者とコミュニケーションをとらないといけない。

なのでときどき恥ずかしかったであった。

 

小さい頃、家に皆が練習に来てお昼を一緒に食べに行った。 おばさまおじさまたちに囲まれて、ぼくはツルツルとおそばを食べるのである。

 

大人に囲まれるとなにをしたらいいかわからないで困ったのだ。

 

今回は、

イギリスに長く住む息子を持つチェロのヒガシさんと言う人を紹介したいと母が言う。

 

今度皆で集まるから来ないかと言われる。

 

なので、久しぶりにひょこひょこついていった。

 

自分が大きくなってからは

 

「ん...いい。家に居る」

 

といつも言っていたので暫く彼女のメンバーと会っていなかった。

 

東京から少し外れた場所だった。

 

ヒガシさんは駅に向かいに来るといった。僕と母とカルテットのメンバーの一人は駅で待つことになる。

 

ヒガシさんは普段母と仕事をしている人では無いようだった。

 

なんとも素敵なヴィンテージな車がやってくる。

中から御髭を生やしたヒガシさんが現れ、とっても小さい車の中に僕らは入り込む。

 

こんなに小さい車に4人で乗ったのは初めてである。

 

家はなんてことはない、数分で着いた。

 

「これは...歩いたほうが早かったのでは?」

 

と不思議に思う青年さとし。

 

彼の家はとても西洋風でおしゃれな家だった。