ひとりではなくなる
段々と同室の子と仲良くなった。くすりのせいで太ってしまった肝臓病のこと仲がよかった。
窓際にいる、奥の腎臓病の中学生の男の子は普段物静かでほとんど会話をしなかった。
窓際の人達は窓をあける権威があるみたいで、僕は窓を空けたくても、ただ窓のそばに行くだけだった。
別の病室の人ともすこし交流があったような気がする。
普段は将棋をしたり、本を読んだり、ゲームをしたり。
漫画が好きだったので、母が横山光輝の伊賀の影丸を時々買ってきてくれた。なんでこの漫画なのか、いま母に聞いてみないとわからないけれど、忍者が好きとでも言ってたかもしれない。
学校に戻った後に忍者の挿絵入りの小説を書いて、先生がプリントしてくれたのを記録する…
そういえばそんなことがあった。 勝手に僕がその小説を書き始めて、それを先生がわざわざ添削してくれて、それをみんなの前で放課後の時間の前に読み上げてくれるのだ。
こっぱずかしいし、そんなのみんなにはいい迷惑だ。とも思った。
発表したりみんなの前で表現するのはへただったけれど、小さい頃にそういう披露もしていたのだなと今思う。
病院では勉強をしなくはいけない。でもどんなに頑張っても追いつくことは難しい。
遅れをとるのではないかという恐怖心が小学校3年になったばかりで少々のトラウマとなる。
小学校2年生から3年生はたしか春休みの宿題がなかったような気がする。先生が変わるのと英語でいうグレードがかわるから?
面倒なことは考えずに
僕が忍者になればすべて解決する。
とでも妄想にふけってたかもしれない。