猫の強さがいなくなって
Cat powerがいつのまにかステージからいなくなった。
約2-30分でコンサートが終わっていた。へたしたら前座のバンドよりもはやくにライブは終わった。
アーディエンスの拍手などはあったが殆どの人は「なんだかな」という感じがした。
こんなやりかたでfanが増えるのだろうか…
僕は振り向いた。
早くにLiveが終わったことが幸いだった。 なぜなら後ろからとてつもないエネルギーを感じた、あの子がきっといるとおもった。
僕はかっこつける暇もなく、今まで記憶にないほどのはやさで後ろを振り向いただろう。
はたして
彼女は運命の人なのか? それとも彼女は神の化身なのか。
不気味な、不思議なイメージを彼女は確かに持っていた。
この瞬間を忘れられない。
ぼくは彼女を探す事はできなかった。
後ろを振り向いた瞬間、そこにいた彼女の空間だけぽっかりと空いていた。まるで彼女が透明人間になって、誰もその小さな聖域に入り込めないようだった。
「恋をしたような」
「嘘のような」
「やっとのことですてきな女性をみつけたような」
「子供が母親をみつけたような」
そんな彼女がどこかにいってしまった。
僕は不安と安心を同時に感じた。
その瞬間僕は摩訶不思議な神の声のような言葉があたまに浮かぶ
「彼女とはまた会える」
わけのわからない確信が僕にはあった。
否定的な、理性的な仮面なもう一人の僕は
「なにを馬鹿なことを言ってるんだ、こんなひろいロンドンのなかで会えるわけないだろう」
だけどその言葉を簡単に退ける真実がそこにはあった。
僕は彼女がいなくなった空間に入り込む。
まわりの観客はバーにいったり、会場を後にした。 コンサート後はみんなざわざわする。そして音楽がスピーカーから鳴り始める。
僕は呆然としていた。
コンサート前に会った女の子たちの事なんて気にもしてなかった。