水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

映画のような日常 – 日常

脳と涙腺

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脳の手術をしてね。

事故に遭ったんだ。

 

バリ島でバイクに乗っていて、

そのあとの記憶が2か月吹っ飛んでいるんだ。

 

目覚めたときは何故か、イギリスのホスピタルで寝ていたんだ。

 

そこで僕は、

 

「それは事故だったの? 聞いた感じは、脳の障害で倒れたとか、そんな印象を受けるけど」

 

「それが不思議でね、誰もわからないんだ。」

「そのあとシンガポールに運ばれて手術を受けたんだけど、バイクの事故にしては体の片側だけ怪我をしていて実に奇妙なんだ」

 

「その間にアンドロイドにされたとか...」

 

とロボットっぽい彼に言ってみた。 彼の目を見てるとそんな感じがしてならない。

 

「そうかもしれない。」

 

と彼はわざという。

 

「それか宇宙人に連れていかれて、記憶がないとか」

 

と僕。

 

「それも大いにありうるね」

 

「とにかく手術をするときに右側の部分を相当損傷してて、耳がそのあと聞えなくなったんだ」

 

「ところで、そのあと、涙もろくなった? 僕も脳の障害があってね」

 

と僕はきく。

 

「ああなったよ、感情をコントロールする部分に変化が起きるらしいんだ」

 

 

彼はその後、ガールフレンドと日本に行った写真を沢山見せてくれた。 そして脳と瞑想、どのように脳を構築していくか、など興味深い話をしてくれた。

 

彼は道場の近くに住んでいて。一緒に歩いて帰った。

 

ポーランドの事業投資について話をしたり、お金の話を少しした。

 

「It was nice talking to you」 今日話が出来て良かった

 

と言ってわかれを告げて、暗闇に彼の本性を明かせず消えて行った。