美しさが三つ
スターウォーズはエンターテイメント映画だけれど2つの太陽が現れるシーンで小さな僕は本気に感動していた。
太陽は美しいものだけど。
二つあったらもっと美しいだろうな
でもどっちがより美しいのだろう?
どっちが本物なのだろう?
どっちが先に死んでしまうのだろう?
と自然に問いがあたまに浮かんだ。
家の前にその3つの太陽が浮かんだ。
一つは空たかくに。
2つは山のすきまに顔をのぞかしていた。まるでそこにいてはいけないかのように。
もしくは彼らが本当の太陽で、上に上る太陽を抹殺しようと考えているかのようだった。
父親が
「ほら、太陽がでてきたよ」
と言った。
それは朝日だったけど、光の感じは夕日だった。
父親はすべてを知っているかのように。いつものように、僕になにかをゆったりとやさしく語っているようだった。
母はなにか僕の体や精神に変化が起きたときにパニックになったり、かわいそうに思ったりするけれど、父はつねに落ち着いてたいしたことではないように語りかけてくれた。
そんな父の面影が三つの太陽の夢に現れたのだと思う。
僕は三つの太陽を眺めながら、日が落ちていくような、日がはじまりそうな思いで、じっと眺めた。
幸福度4
現実的度7