痴漢された記憶
見ず知らずの人にいきなり、多くの人の前で「触ろう」とおもう感覚はいったい何なのだろうか?
男性に対してよりも、女性に対しての痴漢は圧倒的に多いであろう。
でも僕は痴漢に合ったことが何度かある。
痴漢とはなんであろうか。 触れて嫌に思う事。 触れて嫌に思わなければ痴漢ではないのだろうか?
日本では、(大人になってイギリスで数回あう)小さい頃に一度だけ、記憶していることがある。 あれはなんだったのだろうか?
渋谷の映画館に僕と兄と母はよく観に行った。
母は映画が好きなので、「映画を見に行こう」といわれ、僕ら二人は何を見るか相談して決めるのである。
そのとき何を見に行ったかは覚えていない。だけどどんな映画でもぼくは結構すきで。叔父の家にミニシネマの部屋があったおかげでホラー映画以外はなんでも苦痛なく観られた。
映画鑑賞中に、トイレに行きたくてしょうがなくなり、一人でトイレに行った。 2時間も拘束されるのである、膀胱が小さい子供には耐え切れない。
トイレにはいると中年の男性がいた。
僕はこの頃私立の小学校に通い、往復2時間の電車通学を一人でしていた。 家の最寄り駅には親は迎えにも来ず、いつもひとりで帰宅していた。
「変な人がきたら噛みつきなさい」
といわれていたが、はたして大人相手にそんな方法で立ち向かえるのか。とおもっていた。
男は浮浪者のような感じがしなかった。
右側には何枚もの鏡と洗面。左から奥に十数個の小便器がならぶ。
随分と広いトイレである。
子供だったからそう感じたのか。
ぼくは小学校低学年だった。 いやもしかしたら4年か5年生だったかもしれない、小学校高学年なのにこんなことをされた。と思ったような記憶もある。
続く