水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

「ジョンさんです」と電話がかかってくる – イギリス留学<準備編>

ジョンソンかと思った 

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1937年

フリー雑誌の広告で、やっとイギリス人を見つけた。

名前はジョン。 

何やら音楽家らしい。

 

 

彼とは語学交流(Language Exchange)をすることにした。

 

新宿で彼と会う。 彼の動きはふらふらとしていて、コンビニを見つけるとビールを買う。

 

昼間から歩きながらビールを飲む人を初めて見た。

 

彼との交流はしばらく続き、時々うちの実家に電話がかかってくる。

(反携帯所持運動をしていたため携帯はイギリスに行くまで持たなかった)

 

「ジョンさんですけど賢さんいますか?」

 

と母親が電話に出る。

 

英語でもMr.Johnとは電話で言わない。

 

普通は「Hi, This is John, Is Satoshi there?」

 

日本語では「さん」を自分にもつけなくてはいけないと思っている人が結構いらっしゃる。

 

母はぷぷっと笑う。

 

こんなわけのわからない人から時々電話があることに、親も心配したのではなかろうか。

 

ジョンさんとは仲良くなり、彼の家にも行った。 小さなマンションで、そこにはキーボードがあった。

 

日本人の奥さんが帰ってくる。 CAの職を希望しているようだけど、彼女はいろいろしたい事があるみたいだ。

 

よく記憶にないが、ジョンは僕と二人になった時に。

 

「OOちゃん、ちゃんと仕事して...」

と奥さんに不平を言う。

 

半分千鳥足で昼からビールを飲み、仕事を一切していない彼が文句を奥さんに言うのは実に面白い。

 

初めてイギリス人男性と友達になれたと嬉しかったが、交流は長く続かなかった。