She will bury me
ロンドン芸大の下見、たったの1週間だったけど、結構いろいろしたようだ。
昔の写真が掘り出せたので、記憶が蘇った。
人は生きている間に何回か死ぬのだろうか。
留学の話をすると言って始めたけれど、なんだか死んだ自分を掘り起こすようだ。
写真を掘り起こす作業はパソコンの中から探すだけなので、ロマンチックではないけれど、存在すら忘れていた写真達だった。
宝物ボックスもしくは埃をかぶった写真箱を物置から出す作業のようにも思える。
フォトショップにこっていたので色で遊んでいるのがうかがえる。
B&Bの滞在先の近くに墓地があった。だから僕はそこに行ってふらふら彷徨った日があった。
フランスにもお墓がずらっと並んでるところが多々あり、観光名所にもなっている。
日本でお墓参り以外に墓地に行く機会はあまりないであろう。
観光がしたいからとかではなく、僕は死んだ人がずらりと並んであって、美しい墓石がその上に置かれているのを見るのはなんだか面白いと思う。
整理されていない墓場は好きではないけど、ここはいがいと綺麗だった。
僕がこの頃の自分を思い出しても、思い出せない部分がある。
写真や自分のスケッチを見て、ああ、自分はこんな心境だったな。とは傍観できるけど、彼自身に戻ることは不可能だ。
だから昔の自分は
「一度死んだ」
のだと思う。 過去なくして今の自分は無いわけだけど。
自分の墓を掘って埋めてあげないといかんのかなと
思ったりする。
いや自分で掘るのではなくて、
誰かが掘って後ろから突き落としてくれるのだ。
She will bury me... この曲はそういう意味なのか...
墓に入るという事は、当然息もできないし、光もみれない。
だから「死んでる」わけ。
新しい自分、僕が思う「本当の自分」
は
そこからゾンビのように蘇った、いらないものをそぎ落とした自分なのだと思う。
それが繰り返されることで
「自ら」を作るのではなかろうか。