ヨウタの友達パーティー
ゲイの語学学校で一番仲良くなった友人ヨウタの知り合いのバーベキューパーティーに行くことになる。
とってもシャイなヨウタに友達なんているのか?と思ったけど、興味津々でその彼に会いたく、行くことにする。 僕もシャイだった(たぶん今でも)のでパーティーといわれて、気が引けた。
パーティーの会場に行く途中にヨウタが、
「僕の友達、日本人だけどかわってるから…」と警告された。
「どうかわってるの?」
と僕が聞くと
「日本語しゃべらないから」
とヨウタがぶっきらぼうに言う。
「僕も英語しかしゃべらないじゃん」
と僕が軽く言うと
「いや、彼は絶対に喋らないんだよね、君は時々日本語でも僕としゃべってくれるじゃない」
ほえーと僕は思い、なんか僕が悪いことをしていて、その彼はもっと悪いことをしているような気がした。
パーティーなんて初めてだったので、なんか緊張した。
そこには何人か日本人がいた。
僕らが通う語学学校の受付の女性もなぜかいて、ボーイフレンドと一緒に来ていた。
とても綺麗な人だったので、話すのに緊張した。
ヨウタの友達は僕に英語で話しかける。
彼が英語でしか喋らない理由は
「イギリスにいるなら英語をしゃべろ」
という意見だった。
「日本に外国人が来て英語で話しかけたらむかつくだろ?」と言っていた。
「でもサトシ、別に僕と日本語で話したかったらいいから。最近はそんなに堅くなる必要ないことに気付いた」と言う。
彼と二度と会うことはなかったけれど、なんでこの人とヨウタが仲いいのか謎であった。
僕達は高速道路がみえる、特に特徴のないテラスハウス(2つ以上の家が繋がっている形式の家)の庭でバーベキューを楽しんだ。
そこにいた日本人女性に、
「なんでイギリス来たの?」
とはき捨てるように、どうでもよさそうに、僕にたずねてきた。
彼女はしゃがみながら、ちらりと僕のほうをみて僕が答える間もなく。
「しってるよー、日本から逃げたかったんでしょ。逃げたいのわかるけどねー。」
なんだこの女性は… 幼かった僕はむかっときた。
僕はロンドンに来て「日本が嫌だったから、イギリスに留学に来ました」とは口が裂けても言わないことにしていた。
イギリスには来たいから来た、日本が嫌だから来たわけではなかった。
10理由をあげろといったら、10位以内にもその理由はいりそうもなかった。
なんだか、めんどうくさい日本人ばかりロンドンはいるなぁと思った。それとも日本人自体が面倒なのか、どうなのか。
それからどんどん日本人から離れるようになる。
日本人恐怖症である。