水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

殴られて10針縫って大切な物を盗まれる③

人はなぜ物を盗むのか

前回の続き>

路上で殴られ10針縫って、大切な物を盗まれる②

 

人はなぜ物を盗むのか。

「最近ロンドンも貧困層が目立ってきたからね」

と誰か言っていた。

 

 

この後ネットで誰かの書き込みを読んだ。

 

「盗みをするのは貧しいからではない。僕は2年ほどホームレスになったことがあったけど、一度も盗みを働いたことはない、盗む人は何か自分の欲求を満たそうとする輩だ」

 

彼の言ってる事もごもっともだけど、たしかに貧しくなればなるほど、盗みや犯罪に手を染めようとする人は増えるのは事実だ。

 

そもそも、無作為にカフェやパブにあるカバンを盗んで何になるのか?

 

そこに貴重品がなかったら、残念だったとでも思うのだろうか?

 

確かに財布や携帯を盗むよりは簡単かもしれない。 ずいぶんと雑であるけど巧妙な盗み方だ。

 

僕のものが盗まれたときに同時に盗まれた家族と話をして、僕を狙った同じ単独犯だと思った。

 

いろいろ調べたら、多くのスリがロンドン中心でバッグを盗んでいるようだ。

 

その後警察に報告して、丁寧に警察官が連絡してきてくれたが、カメラにも映ってないのでこの犯罪を打ち切りにしますと言ってきた。

 

大切な物が入っていたから道にある防犯カメラをみてくれないか?と聞いたら

「あいにくこの地域にはGDPRの理由でカメラがありません」

 

と。GDPRは>General Data Protection Regulation

個人データ保護法だそうで。

 

なにを言っているのかこの人は。というかそういう法律があるのがおかしい。ではテロリストも保護法のために守られるのだろうか? 

 

友達は中心街にはロシア人が沢山いるからね。と。 政治的なことでつけてないのかもしれない。 盗む人はこのことを知っているのだろう。

 

僕は僕のスケッチブックを盗んだ人が見て何を思うか考えた。 感動して、ぼくのサインをみて、Websiteにアクセスして連絡して返しにくるのではないか? とまで思った。

 

いや彼らには心なんてないのだろうか(今の段階は)。 せっぱつまりすぎて、そんな余裕がないかもしれない。 それともただ単純に快感のためにやっているのかもしれない。

 

どちらにしても僕の考えられる範囲で彼らは行動してない。

 

とにかく盗めればそれでいいのだ。

 

人の事を気にしてたら、盗みなんてやってられない。

 

携帯を盗む人だって、その携帯のなかには大切なものがたくさん入っている。そして、やっとの思いでその携帯を買った人だっているだろう。

 

そんなことは彼らにはどうでもよくて、 人生のショートカットをしたいのだ。

簡単にお金をかせげればいい、汗水たらして働く必要がない。 と思っているのだろう。

 

いずれは改心するのだろうが、すぐではないだろう。

 

 

自分と深くかかわっているものは全てその人の元へ戻ってくる。

だからそう信じることにしてる。

 

以前財布を盗まれたときも戻ってきた。

 

それと同時に、戻ってこないのではないか? 

戻ってこなかったらなんて悲しいのだ。

ということは想像しないことにしてる。

 

盗まれたことに感謝して、盗んだ人に感謝して、

 

もどってこなくても、それがよかったことだ。と思うようにしてる。

 

以後また気を付けるように。

 

何が起きても動じず、平静でいられるように努めるための試練だと思っている。

 

続く>