チェコとイギリス
美術学院に通っていた時に先生がヤン・シュヴァンクマイエル(Jan Švankmajer)
の映像作品を皆に見せてくれたことがあった。
そのシュヴァンクマイエルの弟子みたいな存在がイギリスのアニメーション作家ブラザーズ・クエイ。
シュヴァンクマイエルの作品はおもしろいけど、ちょっと気持ち悪い。クエイも十分気持ち悪いけど、クエイの作品は
遠くの遠くにある不思議なミニチュア劇場に入り込んでいく世界。
だからすきだ。
シュヴァンクマイエルの作品は日常のきもちわるさと、滑稽さと、皮肉さと面白さを混ぜたような世界感。
シュヴァンクマイエルはチェコ。クエイはイギリス人。そういったところで違うのかもしれない。
いま他の作家を思い浮かべられないけれど。イギリスが好きなのにどうもイギリス人の作品としては嫌に深さを感じる。と思った。
イギリス人に深さがないとはいわないけれど。大陸のヨーロッパや東ヨーロッパの暗さにはかなわない。あの暗さの中に深さを創り上げる特殊な能力をもつ人種だと感じる。
イギリスは新鮮で強烈で表面的で人間臭い感じがする。
だからクエイがイギリス人であることがいまでも不思議に感じる。
東ヨーロッパの作品に影響を受けたからであろう。
では東と西のヨーロッパの違いとはなんなのだろうか?
彼らの作品をとくにみたい!と衝動にかられることはないけれど。なんとなく頭の片隅に彼らの世界が浮いている。
シュヴァンクマイエルの作品はわかりやすい(?)のでよく友達に紹介する。
彼の1番好きな作品。