すごい偶然の出会い
あの大きな公園でもう一つ
ユーリノルシュテイン(アニメ作家)の作品に出てくるオオカミの絵を描いて置いていたら。 女の子が僕の前に座り込む。
「あーユーリ・ノルシュテインだ!」
僕はひっくり返りそうになった。なぜならユーリー・ノルシュテインを知っているのは僕の家族と美術学院の先生一人だけだからだ。
いやもちろん日本全国に知っている人は沢山いると思うけど、そのとき僕の周りで、彼について語るひとは3人しかいなかった。
彼の作品を見せても友達は
「何がいいのか全然わからない」
というのだ。
芸大に通う先生も
「30人くらい芸大生集めて教授が見せたんだけど、みんな退屈して、興奮してんの俺だけだったね」
と。
不思議でしょうがなかった。
だからそんなところに、いきなり道の女の子が
作家の名前を言ってくるとは思わなかった。
ユーリ・ノルシュテインとの出会いは夜中のこと。
中学生の頃にはっと夜中に目が覚めた。
目が覚めすぎて眠れなかった。
僕は居間にいってなんとなくテレビをつけた。
そうしたら、摩訶不思議なアニメが放映されていた。