水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

自転車事故に遭う

新年早々ネガティブな話ですみません

Artwork by Satoshi Dáte



前のはなしに追加します。

 

女性は二面性があるということが3歳のころから感じていた。

 

母親のようにとてもやさしいが、急に恐くなる。彼らがコントロールできないほどに怒り狂い、喚き散らし、僕を恐怖に追いやる。

 

僕はつねに女性がそういう面を持っているものだと信じてしまい、恐怖を感じていた。

 

そして不思議なことに叔母の面影がある女性を追うようになる。

 

 

2番目の人生でショッキングな出来事は自転車事故だ。

 

これからイギリスに行くというときに。親友と吉祥寺で会い。バイバイをしたすぐ後の事だった。

 

雨が降っていて坂を自転車で勢いよく走っていた。

 

そして都合が悪すぎるようにブレーキが切れる。

 

普段は井の頭公園にはいるその坂をブレーキをしながら、うまく公園前のガードを潜り抜けて、事の無きを得ていた。

 

ブレーキが切れたから、もちろんスピードは上がる。

 

横に転んでもよかったし、Uターンしてもよかった。横に向きを変えて衝突してもよかった。

 

何を考えていたか

 

「いいや、行ってしまえ!」

 

と思った。

 

鉄の頑丈な柵をうまくかわすことなど不可能だった。

 

0.5秒のうちにたくさんのことが起きた。いまこうやって書くのも昨日のように思えて心が痛い。

 

自転車の前輪かペダルがバリケードにぶつかり、自分の体は前に放りだされた。

どこか、からだをうつすべもなく、ただ勢いよくコンクリートに前顔をコンクリートにぶちまけた。

 

顔に傷ができ、歯が思いっきり折れた。

 

一瞬何が起きたかわからず。ただ顔が麻痺していて、雨はそんなことお構いなしに振り続けた。

 

痛みなんてどうでもよかった。

 

口の中に砂利がはいり、それが自分の歯なのか砂利なのかわからなかった。

そこに折れた自分の歯が雨に打たれていたが、もはや自分の体の一部とはみなすことはできなかった。

 

傘はぐちゃぐちゃになり、普段の自分なら気にかけていただろうが、傘のことなどどうでもよかった。

 

幸い別の体の箇所に怪我はなかったようだ。

 

自転車は機能していた。壊れた傘をさして、ひどい面をして暗い雨の中の公園を走り出す。

 

パニックになって家に急いで帰った。

 

家では落ち着きのない僕に、父は混乱しているようだった。

 

「もうすこし落ち着ける子かと思った」

というようなことを言われた。

 

彼は残念そうな声で言う。

それは僕にはショックではなかったが、頭の中に今でも残っている。

 

取り乱す自分は情けないが、そうだからそうなのでどうしようもない。