水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

幻想の世界へロンドンバスで

自分の世界

f:id:SatoshiDate:20201110052306j:plain

幻想の道

チャーリー・ワッツのコンサートが終わって

僕は夜まで風来坊な日本人の男性と喋っていたのかもしれない。

このときの写真が残っているが

どうやら朝だ。

 

 

寝過ごしたとしても3時間もバスに揺られる事は考えられない。

 

この頃友達もいなかったし、クラブに行ったりとかそんなこともしてない。

 

となればこのジャズコンサートの後にどこかでこの40代くらいの男性と長話をしたのかと思う。

 

年上の人だったが得たいが知れず、こういう大人にはなりたくないなと思った。

 

なんというか子供のまま大人になったような、責任感がなさそうなタイプであった。

外も寒かったので僕はとりあえず心地よかった。

 

人間観察も面白い。

 

僕はバスで帰ることにした。

夜4時くらいだったので僕はうつらうつらとしてしまった。

 

はっと気がついたときは、全然知らない場所にいた。

 

とにかく緑に緑。

 

f:id:SatoshiDate:20201110052511j:plain

誰ももう乗っていなくて左側をみると素敵な西洋風な(あたりまえだけど)家々がならぶ。

 

ロンドンをでてしまったのか?なんて馬鹿なことを考えていた。

 

いそいでベルを鳴らして2階から1階に駆け下りる。

 

ドライバーにここはどこかも聞かずに僕は次の駅で降りる。

 

少しあせった。 周りは緑が多かった。ずいぶん遠くに来てしまったようだ。逆行きのバスに乗らないと。

 

と思って停留所の駅名とマップをみたら、自分の家からさほど遠くなかった。

少し距離はあるけれど歩くことにした。

 

ちょっと離れただけでもこんなに違うのか。ロンドンもZone4(ロンドンはZoneで中心から1から9くらいまで分けられている)まできたらかなり田舎だなと何となく嬉しく感じながら思った。

 

帰りの道は楽しかった。

 

幻想的とは言えないけど、人気のいない緑の道を歩くのは快適だった。

 

やっと家のドアまでついて、静かに中に入って、ぬくぬくのベッドに入って静かに、微笑みながら眠りに落ちた。

 

ちょっとした自分の世界がロンドンでも芽生えた気がした。