水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

イギリスで登校拒否

Depressedとは

Artwork by Satoshi Dáte

語学学校をしばらく無断で休んだ。

いまだったらVisaが厳しいので出席日数など注意しなくてはいけないけれど、このときは誰も出席日数など気にしていなかった。

 

感じの悪い人がクラスには数名いたけど、それが原因ではなかった。いや2%くらいは原因の理由の一つではあったかもしれない。

 

顔にできた手術のあとの傷が結局残り、それがトリガーとなり、やる気がなくなった。

 

おまけに外は暑く、英語もまだまだ上達中。

これといって仲のよい友人がいるわけでもない。

 

歯医者はどこへいったらよいだろう、この後何処に住めばいいだろう?などと。

 

問題が山積みされていた。

 

ベッドにうつぶせに埋もれて、ただごろごろを繰り返した。 フラットメートも特になにか心配している様子はなかった。

 

数週間学校に行かずに久しぶりにでかけたら、さすがに先生に心配された。

 

IT Roomにパソコンをつかって両親にEmailしに行ったときも別の感じの良い男性の先生に声をかけられた

 

“ I am depressed” と意味もわかってないくせに結構ヘビーな言い方で伝えてしまった。

欝なのですと。

 

彼は「Oh dear」とでもいってくれたかもしれない。

 

軽く返してくれたのが幸いだった。

 

こういう事はときどきある。 特に失恋したときとかだ。 なにもする気がなくて、喉がひたすら渇き、頭がいたくて、食欲もなくなる。

 

ただうつぶせにひたすら寝て、いやなことをなんども考え、自分を苦しめ続ける。イギリスにいようが、日本にいようが結果どこで精神的に病んでも同じ状態だ。イギリスが何かをしてくれるわけではなかった。むしろ僕にはイギリスは重荷でしょうがなかった。

 

自分にとって「鬱」とか「落ち込んでいる」とかよくわからなかった。

 

ひとそれぞれの感じ方があるし、自分はなにか人と違うと感じていたから苦しみや喜びも「きっと皆と違う」と思っていたのだと思う。

 

そしてこういった状態になるとだれと会話したらいいかわからない。

 

よく母親は「自分で解決しなさい」と言う。いまでもいう。

 

それは大きな間違いであると思う。 彼女には友人は本当に一人もいなく、悩みを聴く相手もいない。 とおもしろいことに、愚痴や文句は僕にすべてぶちまけるのである。

 

だから「自分で解決しなさい」という彼女の発言に説得力はない。

 

それに苦しんでいるときに真剣に話を聞いてくれる誰かがいることはとても大事だし、またそれをしていいとおもう。 

 

同じことを解決策をまじめに聞かず、ただ質問ばかりして、相手を困らすのでは発展的ではないが、お互いのために僕は良いと思う。社会貢献にも大いになるとおもう。

 

戻ってから

語学学校はあと少しで終わりだったがどうでもよかった。

 

大学に入っても英語の点数がぎりぎりだったので、どちらにしても英語は大学中も勉強し続けなくてはいけないようだった。