裏の野望
エレキを持っていったのは...
実際はロンドンでロックバンドをつくりたかったから。
ロックスターになるつもりだったから。
だった。
ファッションはいいわけで、両親に音楽をやりにいく。など言えなかったからだ。
うちの両親はぜんぜん典型的な両親ではない。
典型的な両親なんてものは実はない。
伝統時とかなんだとか。 そんなのない。
うちの両親は典型的で伝統的だから。
とかいって実際会ったらはちゃめちゃ だったりする。
うちの両親は典型的な両親になりたい両親だったかもしれない(まだ生きていますが)。
両親は、子供が生まれた瞬間、子供、親になってしまう。
それが恐い。 さっきまで子供(親からしても自分も)だったくせに
いきなり親。になるのだ。
ふりかえるとうちの両親は僕より子供である(という部分はまちがいなくある)。とは言い切れないまでも、 親っぽくなかった。
だからぼくも、典型的なこどものように、
ロックをやりたくてイギリスに行きたいっていったら怒られるだろう典型的な子供の役をみごとに演じていたのだ。
ファッションもロックも関係ない。むしろロックの方が可能性があるかもしれない。
デザイナーなんてアーティストといっしょである。
ミュージシャンだって色々な方向がある。 ロックスターがだめでも仕事は沢山あるのだ。
ロックスターというのは職種なのか謎だが。
今分析すればロックスターも実のところサラリーマンとなにも変わらない。
むしろサラリーマンより大変である。
なぜなら世界中の人から注目を浴びるから。
ともかくファッションの学校に留学したかったのは半々くらい裏の野望と表の野望があったからだった。