ポストカード
未練なのか何なのか。 昔恋をした女性に。イギリスから手紙を送った。
だれに手紙を出そうかと思ったときに、なぜか浮かんだのである。 僕は佐野さんにも手紙を書いたかもしれない。
B&B(ベッド・アンド・ブレックファースト)の部屋の小さな丸テーブルで僕はイギリスの日光に浴びながら、手紙を書いた。
いつもアドレス帳を持ち歩いたので、それをみて、誰に出そうか決めたのだろう。
手紙と言うのは良いものです。 出すのに少し「かくぞ」という気合いが必要ですけど、もらうととっても嬉しいもの。
僕は想いのあるひとや、深い関係の友人に手紙を書くことがある。
レターペーパーは自分で作って、その上に書く。 できればすべて手作りだと良い。
言葉というものは暗号のようなものだ。
だけど、そんな暗号にも想いを込められるのがわかる。
ご飯を作るときにも愛情を込めると美味しかったりする。
英語でいえば「CARE」があるかどうか。 愛とかいうとわかんなくなる人がいます。
Careは丁寧さ。
字を書くときにゆっくり時間をかけること。
言葉を選ぶこと。
まずは手書きで書きたい事をいっぱい書いて、編集の時にパソコンを使う。 時間がかかると思うようであれば、ソフトを使って読み上げたものをソフトにタイプしてもらう。
編集して、それをまた見ながら手描きする。
ペンで書くなら青いペンが良い。 黒はすこし強い。
僕がイギリスから出した手紙は、その女性に届いたようだった。
彼女は、日本の僕の住所に返事をしたみたいだけど、届くことがなかった。
それを知るのは1年後の事だった。