水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

金髪の不良とバンドを組む

切れる

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というのは怒ってきれる。という。

僕の場合、別のきれる。がある。

日本に今帰ってきて至る所にドラゴンボールをみる。電車の前で立ってるアメリカ人とイギリス人が英語で

 

「すごいよなドラゴンボール、もう何十年も影響があるなんて」

「イギリスに入ってきたのは結構遅いけどね2000年くらいかな」

 

みたいな会話が聞こえた。

 

ドラゴンボールは面白いストーリーでオリジナリティーがある。

でもここにも哲学や心理学が隠されているのではなかろうか?

 

良くぼくはスーパーサイヤ人のようにならないと。と説明する時がある。

ぷつんと切れて別の次元の人間へと進化するという意味で使う。

(漫画ドラゴンボールではプツンと逆上することによってキャラクターが進化して強くなる)

 

幸いドラゴンボールを誰でも知っているからわかりやすい。

 

中学でバンドをやめさせられて、プツンときた。

そしてもっとおかしな行動に出た。

 

このぷつんと切れるのは、癖になったというか。 プツンときれる、この一瞬でどのようなことが脳に起きているかで方向性が変わる。

 

プツンときれて、

 

「もーーーーーーやーめた」

となるひともいれば

 

「むかつく!」

といって殴りかかる人もいる。

 

では良い「きれかた」とはなんなのか考えた。

 

  • ポジティブであること
  • 積み重ねの努力がある事
  • 不安や恐怖などネガティブな感情に飲み込まれない事

 

だと思う。これがあれば、切れる瞬間の前と後の橋を作れる。

 

おかしなことに、状況はなにもかわっていないのに、切れた後、より可能性を感じられて、過去のことが馬鹿らしくなる。

 

切れた後に僕は、バンド雑誌のバンド募集をみて、応募することにする。学校内でバンドが組めないなら外でやればいい!

 

人前で歌えることができないくせに、わけがわからない。

でも人前で歌うためにもバンドメンバーの前で歌えなくては意味がない。

 

20歳前後のお兄さんたちをみつけ、彼らとスタジオに入る。

3人ともかなりのプロである。

僕はただのど素人で中学生。

 

連絡を取り合っていたベーシストは電話ではとても感じが良かったけれど

会ってみたら、金髪のロングヘア―で恐すぎました。

 

ふ、不良だ。 殴られる…

 

と思ったけど、話したら親切な人で、金髪の理由が全然わからなかった。

(金髪=不良と言うのは偏見ですが僕も中学生だったので許してください)

 

スタジオに入って。緊張。

 

案の定緊張(やはり緊張と恐怖が原因)で声が出ない。

 

ベースの彼は歌い始めてくれて、僕はそれに合せて歌えるようになった。

 

1時間オーディションの様な感じでスタジオで演奏したけど殆ど思うように歌えなかった。けれど、前よりは全然増しになった。

 

終わった後ベーシストの彼とはなして

 

「最初はこんなもんだ」

 

と励ましてくれた。

意外な言葉だった。

 

殴られなかっただけ良かった。

 

「なんで僕を呼んだんですか?」

と中学の小さい僕をもう一人の自分が見ながら彼に不安そうに聞く。

 

「若いのにやる気があると思ったからね」

 

とまた意外な言葉。

 

後に彼は僕に電話してきて。

 

「スタジオ代が払えなそうなら、バイトとかしたらどうか?」

 

と言ってきた。ぼくはバイトなんて中学でやれるともおもわなかった。

 

ぼくは結局怖気づいて、彼らのバンドに入ることは断った。

 

結局、高校でもバンドを組んだけれど、みんな僕が歌えないことを知っていたから、ギターだけの担当になった。

 

それから数年たって。

 

またぷつんと切れたのだ。