水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

ハーバード大学からの帰り

陽が落ちていく

f:id:SatoshiDate:20180921004025j:plain

Artwork by Satoshi Dáte

ハーバード大学に勝手に入って満喫した僕は家へと旅路についた。

帰りはなぜかわからないが、変なバスに乗ってしまった。 例の1Bとやらだ。途中でこれは絶対に帰り路ではないと思って降りた。幸い、家に帰る途中にある大きな橋(一つしかないのであの橋が折れたら帰れないなと思った)が見えたのでそこに向かって川沿いに歩いた。 

いかにも!というような大きな家に広い庭、柵が低いアメリカの家々を左手に見ながら歩く。 歩いてくとアメリカ人(映画に出てくるような)3,4人の男女が車のオープンカーに乗って、僕をからかうように何か叫んだ。 何人かは車を乗りだして座っていて、もしかしたらワインでも片手に持っていたかもしれない。 

 

まあこういう事は今でもロンドンであります。

 

「へっへーーーーーーチャイニーズ!」

 

みたいなことを言われたことがあった。

 

でぼくは

 

「ジャパニーズですが、なにか?」

 

とゆっくりと歩く侍の様に振る舞うわけだが、果たして中国人であったとしても、なにが問題なのであろうか?

そしてなんか知らないがこのむかっとくるのはなんなのだろうか?

 

「へっへーアメリカジーン」

 

といったら彼らはいらっとくるのだろうか?

日本では確かに白人を馬鹿にする風潮は、どこかに。ある。と思う。いやある。

 

バカにされてきた歴史があるから、むかっとくるのだろう。 ようは見てくれが違うから、馬鹿にされるのだ。顔がそっくりで肌がそっくりだったら、馬鹿にしないのだろう。

 

文化や歴史はどうなのか?そこも関係がある。と思う。

 

にしてもこれは相手の方が上で、僕らが下等ということなのでしょう。

では彼らはいったいどこがどう上等なのだろうか?

 

アフリカ系の友人は冗談をいうなというが、白人の友達も同意してくれたことは、アフリカ系の人が東洋人を馬鹿にする傾向があるという事。

 

なんか変な差別の循環があるのだろうか。

 

 

家に着くとみんながなんでそんな遅くなったんだって、心配そうに語りかけてくれた。

 

どこから歩いてきたことを言ったら、みんな驚愕した。 災難だったねと皆いい。 

 

「電話したらいいからね」 とも言ってくれた。

 

電話の仕方すらわからないので、今度電話のかけ方を教わろうと思う。

 

どこにコインを入れたらいいのか...大体電話をしたらオペレーターが出てきやしないか?

 

いつも僕は外をぶらぶらして帰ってくるとみんなが待っている。

 

ぼんやりとした光が灯る半地下のアパート。扉を開ける前にかすかに光が扉から漏れている。笑い声も光と一緒に漏れて、僕はゆっくりと扉を開ける。 

 

知らない人と家族でない人と一緒に住むって心温まるなと思う。

 

家族ではないのに家族

 

リビングルームのベッドでまた1日を終える。