人間はやはり水で出来ている
たかが1か月の旅行で偉そうなことを言うなと思うかもしれないけど。僕は感じた。
臆病物の子犬だから、なおさら感じた。
息ができなくて、藁をもつかむ思いで。
同士が日本語をしゃべってるだけで、
「ああこの人なら助けてくれる」
大学の情報なんてどうでもいいのだ。 四面楚歌から脱出したいだけなのだ。
恐ろしい恐怖で。
恐怖だけで死ねるんじゃないかって本当に思った。
頭は真っ白で、ひどい重さを感じて、水気はどんどん吸い取られて、水を飲んでも飲んでも、シューシューいう音を立てて体から水分はなくなる。
音という音が狂気の叫び声に聞える。
自分がどんどんどんどん小さい箱に入れられていく。
そんな想いがそこにいる日本人の二人に声をかけたのだ。
同じ同士なら、文化と言葉が分れば、私の苦しみをわかってくれるだろうと。