水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

明日殺人鬼に転職

ピチカートファイブ

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何と、その頃の僕は何を考えていたのだろうか?

殺人鬼と疑われそうな怪しい彼の家に行ったのである。 日本語が喋れるから安全というのはない。

インドの空港で、日本語を喋れる怪しいインド人が日本人カップルをどこかへ誘導してるのを見かけたことがある。

 

「危ないですよ!」

と言えないのである。日本語が分るから。

 

事件には巻き込まれていないと思うが、そのインド人はその空港で会ったぽかった。

 

密閉された所に行けばもちろん僕はどうしようもないわけだ。 好奇心でついていったのだが、皆さんにはおすすめしない。

 

彼の部屋は日本のもので埋め尽くされていた。

 

面白いことに、壁には大きなピチカートファイブのポスターが貼ってあった。 ボストンでそんなものをみるなんて想像もしなかった。日本のものたちを見て少し安心した。

 

とても感じのいい人でそれから時々会うようになった。

 

彼は独身でひとりぼっちっぽかった。その時僕のゲイダー(ゲイの人をみつけるレーダー)が発達してなかったが、同性愛者かな?と思った。

 

背の高い人だった。確かドイツ系の人だった。

 

ギターを持って彼の曲を弾いてくれたが、Annaが曲を弾いてくれた時のような衝撃がない。アメリカ人のミュージシャンすべてが僕に衝撃を与えるようだったら僕は音楽なんてやめたくなったかもしれない。

 

僕は無事帰宅することができた。バラバラ事件の犯人は見つかってないと言う。公園で会った庭師なのか今日あったミュージシャンなのか、僕は勝手にどっちかが犯人なんだろうと決めつけていた。

 

見つかってないということは誰でも殺人鬼である可能性がある。僕の家に住む人かもしれない。けれど今頃は殺人鬼はもう殺人鬼じゃなくなって普通の人に代わって、そんなときの事をもう忘れているかもしれない。

 

そう明日、僕たちが殺人鬼になる日が完全にないとどうして言えようか?

 

分類化が進む世の中で、殺人鬼は殺人鬼として生まれたわけではない。

 

全ての人間は善人になる可能性があり、悪人になる可能性があるのだ。

 

殺人鬼も僕らも同じ闇を抱えながら、光と闇の戦いをする勇士たちになりえるのだ。