真夜中に起きる
また寝付けない。夜は静かで、わずかに車の音が聞こえる。夏に近づいている季節だったから、夜は気持ち良い温度だった。窓から光が差し伸べる。僕は少しながらの緊張の中で、パジャマで突っ立っていた。
僕は中学の時に呼んだイギリス小説のトムは真夜中の庭でを思い出す。
特に何かすることもなく。緊張が消えるまで、立っていた。日中に使っているキッチンの道具たちは、ルームメイトと一緒に眠っているように身動きすらしなかった。みんな背中を向いて眠っているようだった。
冷蔵庫を何気なく開けて、中なものを見て。閉じる。
みんなの写真が貼ってある。
どれも笑顔の写真ばかり。昔の韓国人のルームメイトは見違えるように痩せていて、びっくりした...英語でなにやらいろいろと楽しそうな事が書いてある。
そこにIoanaの写真が載っていた。 彼氏らしい男性と思いっきりキスしてる写真。
「これは」
と僕は思って。雷に打たれたようなショックを受けた。何とも単純な僕は、写真ひとつによって崩れてしまった。
そんな彼女は彼女の部屋で静かに寝ている。
まあそんなもんだろうなと僕は思い、またソファーベッドに寝ることにする。