ロシア映画の一コマになる
ヒロシさんとAnnaのコンサートに行くことになる。はじめてのロックの演奏をアメリカで見れるのはとても嬉しい。Annaが演奏するのを僕はすごく楽しみにした。どうやらヒロシさんはAnnaを気に入っているようだった。 ヒロシさんは仕事だったので待ち合わせをすることにした。 携帯もないから会えるかどうか不安でしょうがない。
僕らは橋を渡って向こうへ行く。 向こう側というのは、ハーバードやMIT があるところ。 坂ているエリアというのだろうか? なんとなくボストンマラソンはこの近くと勝手に思っていた。その周辺にいったのである。 ところがあたりは暗くなり、なんとなくロックカフェがありそうな、ちょっと汚い場所にたどり着く。 どこへいくのも不安だらけである。奇妙な形の人間があたりにいて、奇妙な言葉を喋っている。
ロシアの70年代の映画のよう雰囲気の場所。周りは暗くて、コンクリートの建物に囲まれる。あたりは時間が凍り付いて一枚の絵になってしまうような雰囲気がした。ヒールを履いた女性が後ろ姿を僕に向けて歩き去って行く。映画のワンシーンはまさに絵画に変化して僕を凍らせようとしていた。
ヒロシさんがすっとあらわれ、僕を凍らせる何かから救ってくれた。
僕らはライブ会場の地下に行く。 日本でよくいったライブハウスの雰囲気に似ているが、会場が大きくて。色とりどりの人間たちが押し合っている。
いつまでたってもAnnaを見つけられない。どうやら上の階のようだった。
ハラハラドキドキである。
僕は中学の時から海外のロックバンドを一人で見に行ったりした。だから海外のバンドのライブは生で聴きにいった事が何度もある。 上の階は50人くらい集まれるところだろうか。ロックコンサートというよりかはどちらかと言うとカフェで飲みながら見ることができる場所。
テーブルがあってそこに青い髪をした小柄な日本人の女の方がいた。どうやらヒロシさんの友達らしい。 いやに若い感じがしたがぼくよりも年上だった。 可愛らしい顔していたが、青い髪には驚いた。
アメリカにいる日本人ミュージシャンを始めて見かける(ヒロシさん以外)。 Annaがステージに現れ、演奏をバンドと始めた。 そんなに激しいロックではなかった。バイオリンを弾きながら歌ったりして器用なものだと思った。
残念なことにこの前家で聴いた音楽とは違い、特に impressive(英語で感動的) のものではなかった。
演奏が終わると僕らのところに来て皆で話をした。僕らのルームメイトをヒロシさんはなぜ連れてこないのだろうかと思ったが、たぶんどちらかと言うと彼らはジャズやクラシック。こういうところには興味いだろうと思う。
そこで会った日本人の女の子はキーボーディストだという、何か話しはふわふわしていてどこで弾いてるのかとか、作曲の話とかしたけれど、たまにこういうとこで弾いてるとかなんだとか言って、答えもすべてふわふわでカフェで僕は宙に浮きそうになってしまった。
一体彼女は何をしてどうやって生活してるのだろう?
こういう非現実的な出来事が僕の夢に影響させているのではと感じた。
僕もどこかで弾きたいと思い思い切って彼女に聞いてみると。
「オープンマイクに言ったら?」
いいと言われたオープンマイクってなんだろうと思ったらオープンマイクというのは、カフェやパブみたいなところで2曲ほどステージに立って歌うことができるEventろらしい。そんなところがあるのか、そこはお金を払わなきゃいけないの? と聞いたら
「なんで?お金なんて払わないでいいよ。」
と彼女に言われた。
ボストン滞在9日目くらい