水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

北京から来た未来の恋人

OK then!

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筆者 その家の油ギトギトキッチン


さて留学の話をしばらく書いていませんでしたが再開します。ホストファミリーが面倒になって一人暮らしをしたくなり、飛び出したところが中国人の女性が一人住む家。

  

「あなたがかっこいいからあなたにしたわ」

といわれて何となく嬉しくなってそれが決め手になった。

 

家のホストの中国人の女性が僕と住みたいということだった。

 

中国人は日本人嫌いじゃないのか?とは思っていたが。まあ気に入られるなら日中友好ということでイギリスでまた歴史を作れたらよいではないか。などと思った。

 

女性にかっこいいといわれて、浮かれてたわけではなく、生涯であまりそういうことを言われたことがなかったこともあり、家探しにうんざり、アジア人ならまだましだろうか?ということも思っていた。

 

留学の資金はあったけれど、このころからずっと節約生活をしていた。だから凄く安いところへ引っ越そうと頑張っていた。

 

しかしこの女性が美しく、わたしが恋に落ちていたわけでも全然ない。

 

中年の方で笑いがすこし不気味であった。 

 

わたしは北京からきたの。と

 

なるほど、中華人民共和国か。

 

このころ香港と台湾の違いもたいして知っていなかったが、何となく香港か台湾のひとだったらよかったなとは思った。

 

彼女のくちぐせで

 

「OK,then!」

というのがあった、話がおわるとそれを言って自分の部屋に戻る。

 

Then とはそれからという意味の言葉なので

 

話の続きがあるのかと思っていつも期待したが、そのまま部屋に戻るのであった。

これは私の部屋でさらに話そうということなのか?と思ったが後で知ったが

 

「それじゃね!」

って意味であることを知る。

 

中国人だから英語がちゃんとしてないのかと思ったがそうではなかった。

 

部屋は結構広かった。

前のホストの家よりも多少広い。

イギリスではよくあるが、

 

必要以上に大きなベッドがどーんとあったけど。 リラックスできた。

ベッドは部屋の空間をしめている。

 

 

このころは特に絵をかいたり作業をしていなかったので十分だ。

 

彼女がまた貸しをしている感じではあったが、大学から(彼女は大学生)の契約書みたいのを書いた記憶がある。

 

リビングなどないので、いつも話をするときは階段の上の廊下の手すりだ。

 

話し相手が彼女だけだし、しかもべつに詮索もしてこなければ、たくさん話したいわけでもなさそうで気を使わないですんだ。

 

日本の総理大臣の話とか、中国の歴史とか、共産党の話とか。そんな感じである。

 

キッチンはひどく油でぎとぎとしていた。

 

ある日べったりの油を掃除し始めた。

どうせ出るのに僕は何をしているんだろうと思ったが、とりあえず、部分だけはきれいにして手を置きたかった。

 

掃除をした後彼女に礼を言われたか記憶にない。

 

この記事のタイトルは何を言いたかったかというと、

不思議なことに彼女のこの不思議な笑いは

これから恋をする女性とそっくりだった。

 

そしてその恋する女性は小学生で一緒にいたクラスの人だった。