神さまが弾いてくれた線
なんだか神様が用意してくれていたように、物事がうまい具合に運ぶ。イギリスに行きたい、ファッションを学びたい、自分が好きな言語を学びたい。 すべてが叶っていく。
今までが嘘みたいに苦しくて、つまらなくて、絶望的だったのに。体をちょっとずらして、感じ方、考え方のアングルを変えただけで、不思議にすべての点と点が線になっていった。
カードを裏返すかのように、嫌なカードがすべてハッピーなカードへと変わっていった。
変化していったというよりも、悪いものが良いものにみえてきたといったほうが良いかもしれない。
僕が留学したい大学はセント・マーチンズ大学。大好きなデザイナーたちがみんなそこを卒業していた。 イギリスにはファッションなんて学べないだろうと思っていた。
いまでも、
「イギリス、ロンドンでファッションを勉強?パリじゃないの?」
と人は不思議がる。
パリがもちろん本場だけど、ファッションを勉強する質の良い大学はイギリスに沢山ある。僕はファッションを勉強するならイギリスがいいと思う。
でもその時は僕自身、イギリスにファッションで留学したいけれど、イギリスにファッションを勉強できるところなどあるのだろうか?
と思っていた。
アレキサンダー・マックィーンとかフセイン・チャラヤンとか、ジョン・ガリアーノとかファッションTVを見てて知っていたけど、好きなデザイナーが皆同じところから卒業しているとは思いもしなかった。
イギリス英語にも恋に落ち。
イギリスロックにも恋に落ち。
映画やグラフィックの世界もイギリステイストが好きだった。
これは偶然なのか、なんなのか?
12月に下見をしに行こうと思って、僕はセント・マーチンズのオフィスに電話した。
以前東京であった面接官の秘書の電話番号。
時間が時間で、アンサーマシーン(留守電)に繋がる。
留守電の女性の声はとても美しく、シークレットガーデン(秘密の花園)の映画を思い出した。
僕はばかみたいに、それを聞いてなんども、真似をした。
語学ができる人は耳が良い人と言う。
バカみたいだけど、発音が上手にならないという人は
ただ真似すればいいのだ。
RがFの発音とかどうでもいいから真似すれば、それっぽく聞こえる。
そう思えば、語学なんて楽ではないでしょうか。