水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

日本語中毒

日本語が飲みたい 

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       校内。中の様子が昔と変わらずなんか嬉しい。

ルームメイトと英語ではなすのはきつい。

楽しいけど、何を言ってるのかわらないし、向うも大変だろうとおもう。

 

最初のうちはヒロシさんが家に帰ってくるのが待ち遠しかった。

 

なぜなら日本語がはなせるから!

 

日本人なんて全然いないのです。

 

 BOSTON MUSEUM の横に美術大学があることを知った。

そこにはどんな学校あるのか見に行きたくなって、またボストン美術館へ向かった。 

 

少し慣れたと言ってもやっぱり日本語が話したくてしょうがない。 校内には勝手に入ることができた。大学と言うより、専門学校の様な雰囲気だった。

 

吹き抜けの建築ですごく新鮮な感じがした。ぼくはなにをするわけでもなく、行ったり来たりしてた。

そしたら日本人が集まってワイワイやっていたのをみて、そこで僕は藁をもつかむかのように

 

「日本人ですか?」

 

と聞いた。

日本人だからって喋りかけられるのも変な話である。

 

 

普通なら

「そうですが、なにか?」

と言うに違いない。

ボストンという場所にいるからなんとか受け入れられるかもしれないけど、長くこちらにいる人だったら、だからどうした。と言われても僕は反論できない。 むむむ。

 

最近、ロンドンの僕のアートクラスに来ている70代の女性もまた、ロンドンに来た時は日本人と会ったら道端でも寂しさに喋りかけてたらしい。

 

そんなようなものか? 僕はそこで戸惑う日本人と話す。

 

「大学を見にきたんです」

 

「へー」

と顔を見合わせる皆さん。

 

真面目そうな人たちがいたが、彼らはとくに興味がなさそうだった。

ところが、すこし軽い感じの男の人が僕に興味を示した。

 

そこでユウタという友達と仲良くなった。

異国での初めての日本人の友達ができた。

 

彼はすぐに友達を紹介するといってくれた。 電話番号を交換して、僕はすこし落ち着いて家に帰った。

 

ヒロシさんに、ボストン美術館の学校で友達ができました。と伝えたら。

 

それはよかったな。と言ってくれた。

ここでは彼がぼくの父親である。

 

              ボストン滞在5日目