水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

叶えられなかった夢

 元々目指していた夢は漫画家になること

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                     illustration by Satoshi Dáte

 

僕は小学校の時漫画家を目指していた。小説を書いて挿絵を描いたり、漫画を描いたり。漫画なんてだれでも描くものだろうけど、本気で漫画家になる気でいた。中学の時は女性の水着写真など鉛筆で写したりした。女性という不可思議な得体のしれない美を自分の手で表現できるように試みたかったのだろう。

 

 

漫画はいろいろ読んだ、手塚治虫から現代のものまで、誰でも読むようなエンターテインメントなものも好きだった。けれどだんだんマニアックな作品を好むようになった。

 

中学でいっこうに漫画はうまくならず、描く時間もなく、そのままなんとなく諦めていた。今となってはならなくてよかったと思うが、いまだにアニメーションはやっていきたいと思ってる。ならな

いで良かったと思うのは外に出ず家に籠る仕事は僕には向いてないと思うからだ。

 

そんな下済みのおかげで僕は予備校に通い始めた時にデッサンの助けになった。でも美術を目指す人たちはちいさい頃から漫画を書いてたのは当然なのかもしれない。集まる人たちは皆うまくて、それをさらに大学入学でふるいをかけられる。スポーツの全国大会みたいだ。 日本の美大受験というものは感性を重視していない。一年に一回だけのチャンスで3-6時間の間の試験でなにができるのだろうか?

 

初めて美術予備校に行ったのは夏期講習だった。叔父が昔通っていたところにして、なにも考えずに受けた。自分はうまいものだと思ってた、多少自信過剰であった。僕は初めて木炭を持って絵を描くということに感動した。静物画だったが、描くという事がこんなに楽しいものかと夢中になって描いた。2、3時間ぐらいの授業でのめりこみすぎて時間を忘れてしまった。けれどその感動は先生に響かなかった。

 

そこの予備校に通っているっぽいショートカットのつなぎを来た一つ年上の女性は、いつものようかのように先生に褒められていた。はっきり言って自分の絵となにが違うのか全然わからなかった。まだ時間はあると思ってけど、不安がよぎった。