水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

彼女は窓口で働いていた

市役所でのやりとり

f:id:SatoshiDate:20200130221750j:plain

あなたが窓口に

坂の下に市役所のような西洋風の建物がみえる。空は曇りか晴天。雨は降っていなかった。草が茂った広場、坂になっている。くだると右手はそのまま駐車場になる。

 

 

降りてくる上からも全ての敷地が駐車場だったかもしれない。左手には柵を越えて広めの土の道が建物の前を通っている。道と広場と道を越えた反対側の広場は同じ感覚で下のほうへ下っていく。

 

建物の鉄の柵を通って、建物に入る。中には人が沢山いる。ヨーロッパ人がいるからここはヨーロッパか。 僕はある首都に行かなくてはいけなかった。

 

それは仕事なのか上からの命令なのかわからない。 

 

首都の名前はOO(思い出せない)。でもその首都の国の名前がわからない。でもなぜか行かなくては行けない国がオマーンだということがわかっていた。

 

列に並んでいると、つるりと光る床に世界地図を分解したものが広がる。 並んでいるひげが生えた中年の(中東?)男性に首都の名前はわかるが国の名前が思い出せないという。

 

「地図を見たらいいのでは?」と言われる。

 

僕はいつも文字や情報を見つけようとするとすぐに見つけられるので、簡単にみつけられると思った。 でもその地図からはその首都を見つけられなかった。

 

オマーンに行くのだからオマーンに行けばいい。と安心しようとした。

 

あるアラブの国を地図からみつけて、ここに行けばオマーンに歩いていけるだろうと考えた。それは無謀だと自覚していた。

 

僕は乱れた列を無視して先に進む。

 

あの人が窓口にいるのは知っていた。(映画Irish Manのシーンの影響だと思う)

ぼくは彼女の窓口をみつけて、奥の並んでいる長いギャラリーにあるような背も肘も何も無いこげ茶の椅子に座る。大体3mくらい長さがあり、幅は50cmほどの低い長椅子。

 

僕は待っている人の5番目くらいに座る。 彼女に何か渡すものを用意しようとした。書類も書かなくてはいけなかった。

 

すぐに順番が来る。

 

彼女はなにか僕に優しく話しかける。僕はわざと無視をする。首を左斜め下にして、冷たい態度をとる。彼女はその態度をみて困っている様子だった。

 

その後すぐにオマーンに行きたいのですが。というと。

 

彼女はカジュアルな対応をして、大きくて厚い時刻表のようなものをぱらぱらとめくりだす。

 

「んー間に合わないかもですよ」

 

と本を見ながら急いで調べている。

 

「8月のoo日…」なら大丈夫かも。

 

「それは毎月oo日しか飛行機が飛ばないということですか?」

と僕は聞く。

手続きをすます。パスポートの話などする。

 

「Visaはここでとれませんか?」

 

「そういうことはここでやっていないので」

 

と彼女に冷たく言われる。

 

ここは大使館ではないのか?と僕は思った。

僕は彼女を背にして椅子に戻ろうとする。

 

彼女の窓口に振り向くと、左の壁にあったベージュの固定電話でなにやら楽しそうに会話をしている。 僕のことを話しているように思った。

 

僕が近くに行くと

 

言葉がもれるかと思ったのか、受話器を片手で持ちながら音を聞こえないように何かボタンを押して透明なシャッターがおりる。

 

音は前から漏れていなかった。

 

外に出ると、椅子にいた東洋系の男がついてくる。なにやら重大なことを伝えたいらしい。この男とはどこでも会っていない気がするが記憶に無い。

 

建物から左手に僕らは歩いた。 地下鉄の駅(日本風)に向かおうとしていた。店がぽつぽつと見える。どうやら田舎にいるようだった。緑や木がところどころで現れる。

 

適当に彼と話をして、言い訳して、また建物に戻ればいい、戻るころには彼女が仕事をすませて出てくると思った。 恐怖ときっといいことがあるという気持ちがいり乱った。

 

「はなしってなに?」と僕が聞くと彼は急に僕にキスをした。 拒絶反応でぼくは、彼の舌、か唇を思いっきり噛む。

彼はびっくりしているようだった。口からすこし血が出ている。

 

すこし嫌な気分をしたのか彼はじっと僕を少しみて去っていった。

「Sorry, it was too sudden.」と僕は英語で謝る。

 

その後に彼女を探しに戻ってみたけれど、どこにも彼女はいなかった。(この部分は本当に夢を見たか記憶に無い)