記憶にない旅
UAL、セントマーチンズ大学の下見の一週間で、ブライトンにも行った。
ボストンの1か月と同じように1週間でいろいろ行動した。
ロンドンから南。 LGBTに緩和な港町。
知り合いの紹介で友人に会ってきた。
はっきりいってその人が誰だったか記憶にない。
写真はあるし、その人の家に行ったのも覚えている。だけど記憶にない。
僕は1番目か2番目の自分の墓を掘っている間に
その記憶と一緒に埋めたのだろう。
僕のお墓は何個あるのだろうか?
イギリスに来る前、僕はイギリスをなめてかかっていた。
アメリカも行ったことあるし、大体似ているだろうと。
イギリスは曇りがおおく、小雨が良く振る。
音楽友達が、「なるほど、こういう気候だからああいう音楽が生まれるのか、ってしみじみ思ったよ。」
と僕にロンドンに行く前にぼそっと報告してくれた。
その意味がわかるのは2、3年後もしてからだった。 僕は自分の精神安定に精一杯でそれどころではなかった。
ボストンの時とは違って少なくとも大学に行くという目標はできたものの、お先は真っ暗だし、相変わらず、日本人に似ていない道行くひとはよくわからない言葉を話している。
匂い。
もまた違うのだ。
ボストンでは匂いでやられた。
イギリスも同じで
不思議なにおいがカルチャーショックを引き起こす。
いつもグレーで曇っているロンドン。だけど僕は精神が不安定な時は、逆に煌々と光るお日様の方がうっとおしかったりする。
雲っている方が、何度か死んだ人間には心地よいのだ。