水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

鳥取空港=ボストン空港

ボストン空港到着

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空港に着く。ボストンって言ったら有名なところだから、すごく大きな空港だと思ったらニューヨークの空港とは大違いだった。小さい頃よくおじいちゃんがいる鳥取に毎夏、飛行機で旅行に行った。鳥取空港はとっても小さくてボストンの空港はそれに近かった。(いやこれは暗かったか、ローカルの空港だったからかも)ホストのヒロシさんは

 

「僕は忙して行けなかったら、誰かが迎えに来るから」

と言っていた。

 

携帯でLINEでメッセージなんかも出来ない次代。なにがおきるか霧の中。

 

すごく不安だったけれど、彼の言葉を信じて僕はボストン空港の出口の方へ向かう。誰もいなかったけどしばらくすると女の人ふたりが話しかけてくる。

 

「Satoshi?」

 

「Yes」 

 

と僕は彼女たちにいう。

 

彼女はにこやかに挨拶して、日常の一環のような感じで僕と会話した。

 

はあよかった、僕と知ってる人と会えた。

 

挨拶を交わして僕らはタクシーに乗り込んだ。ルームメイトの女の子は二人と言ったから、てっきりこの二人がルームメイトの二人だと思っていた。一人が金髪の女の子「Marina」一人はアラブ人のような黒い髪のショートカットの女の子「Ioana」。

 

しきりにいろんなことを彼女達は話してくるけど、何と僕は何を言ってるのか全然わかんなかった。これはとんでもない誤算だと思ったが、彼は何もそれに対して不快にも思わず心配にもしていなかった。

 

「このまま永遠に英語が話せなかったらどうしよう」

 

と思っていた。

 

今着いたばっかりだし英語もわからないのだろうというような感じの事を言っていた。

 

僕はタクシーの左に座り、彼女たちは右に並んで座った。彼女たちの輝く美しい瞳と必要以上のウェルカムな微笑みをみながら、窓の外を見ていた。

 

暗い街が過ぎ去っていくがあまりも暗かったので暗闇の中に建物がポツリポツリと見えてるような感じがした。 きっと人が沢山いる市街地を通っただろうし、高速道路も通ったと思うけど、ローカルな細い道しか通っていかなかった気がする。 

 

彼らの言ってることが本当にわからなくて、景色どころじゃなく焦っていたのだと思う。

 

海外に行けば、何とかなるだろうと思っていた自分、その愚かさと、恐怖と、ワクワクと物事が先に進んでいくわけのわからなさがとても新鮮だった。 

 

こちらはパニックになっているのに、西洋人の姿かたちをした二人の女性はニコニコと話しかけてくる。

 

「君たちはいったい僕がどういう気持ちでいるか理解しているの?」

 

 と 聞きたかったけど、聞けるほどの語学力もなかった。 

 

うなずくか横に首を振るか、目が点になった小動物になった気分だった。