水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴るドキュメンタリーストーリー

バットマンに会えた

アメリカに来てバットマン

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Artwork by Satoshi Dáte

ヒロシさんの顔が広いからということもあるだろうけど、またもや重要そうな人と会えた。 ふらっとアパートにやってきたのは、ドイツ人の背の高い男性。オーケストラゼーションたる仕事をしてる人だった。誰かが作曲したものをキーボードなどで色々な音に分割して、オーケストラで演奏できるように編曲する仕事らしい。 彼はバットマンの映画のオーケストラゼーションをしてるらしい。 

「ほえー」

 

と思った。なんでこんなひとがいきなり家に現れるのかわからん。とおもった。

 

僕は借りてきた猫の様に彼とヒロシさんが何だか話をしてる。 同い年だったことに二人が気づいたようで、なんかしらんが意気投合してた。 海外でも同い年だと嬉しいものなのか?はたしてこれはドイツと日本だけで起きることなのか? そう不思議に思った。

 

ぼくはこの頃会ったいろんな人から連絡先をアドレス帳に書いてもらう事をしてた。

 

あの!アニメーターと同様(後の話に出てくるかもしれません)、彼は一般人の名前の下に自分の連絡先を書くのを嫌がり、ページをめくって一番上のところに彼のアドレスを書いた。何とも意識が高い人は同じような行動するものだなと思った。 

 

ドイツ人も会ったことがあると思える、Annaのはなしになる。

 

ヒロシさんはいかにAnnaが美しいかということを激論しはじめた。 春のオープンカフェで3人白いテーブルに白い椅子に座り、ヒロシさんの話を聞くのである。 ちょっとそれに対してはびっくりしたというか、何か気持ちが悪いものを感じた。 ドイツ人は、はぁ そうかい? みたいな感じだった。

 

彼にとっては当然そう思えなかったのだろう。

 

ヒロシさんと同様、Annaは美しい人だと思う。 体格は結構がっしりしてるけど、彼女がメガネ外した時は確かに美しい人。だと思う。 しょっちゅう恋して情緒不安定なぼくでも、なんとなくヒロシさんが語ってるのを冷静にみて、聞いて、分析することができた。

 

Annaはヒロシさんに興味はなさそうだった。二人の間に繋がりというものをあまり感じなかった。

 

 

ぼくは若かったからこそ、いろいろな真理をみることができなかった。 ヒロシさんはときどき女性のはなしをした。 

 

アパートの他全員が彼に恋をして、3人同時に恋されて困ったといっていたが、日本人の彼がそんなことになるなんてあり得るのか不思議に思った。 だから今ならわかるとおもうけど、僕は彼が嘘つきなのか、本当なのか、自慢話がしたいのか、無垢なのか判断できなかった。

 

そうだ、アパートを出てカフェに行く前に、その時に丁度いいと思って僕の曲をそのドイツ人に聴かせた。

 

僕の音楽のサイトで聴けるこの曲である。

spiritmill.bandcamp.com

 

ベースとギターは生で録音。キーボードとドラムは打ち込み。

 

これは実は10代の時に作ったもので全て古いキーボードを使って、またドラマシーンもちっちゃいのを使った。 メモリがいっぱいになるような打ち込みをしたのが記憶にある。

 

僕にとってはそのころ夢中だったアーティストの影響がすごくわかる曲。オリジナリティーはあんまりないと思った。 

 

彼がそういうポップの音楽を聴いてないからか知らないが、これはフリージャズだね。 とまじめな顔をして。 

 

「 実に面白い...」 

 

「 これは君が作ったのかい?」 

 

と感心してたのに僕は戸惑った。

 

それで別に僕にバットマンのサウンドトラックの作曲を頼まれたわけでもなんでもないわけだが。 これもまた嬉しかった。

 

こういったちょっとした出来事が、日本で落ち込んでいた、またアメリカに来てカルチャーショックをうけていた僕を励ましてくれた。

 

みんなが嘘でぼくの心中を知りながらわざとやってるのではないか?とも思った。

 

アドレス帳?

 

どこにいったかって?

 

知りません...

 

連絡も一度もとったことないとおもう。 メールは僕からしたとおもうけど、返事が来たか記憶にない。 この時の時代から連絡を取って人はいるか? 実はまだいる。嬉しいことだ。

 

ボストン滞在10日目