水に浮かぶこころ

英国在住アーティストが綴る不思議なドキュメンタリーストーリー

初めての一人で飛行機

ガラガラの機内

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日本からアメリカへは東に飛ぶ。西には飛ばない。なぜならもちろんそのほうが近いからだ。近いは近いけれど殆ど陸地がないところを最初は飛ぶ。なんともふわふわした感覚だ。

 

ニューヨークについてから、その後はボストンへ国内便に乗り換える予定だ。 

初めての国際線でちょっとびくびくした。

 

英語がわからなかったらどうしよう。 そとに放り投げられるのかな?

 

アメリカまで飛行機の中はガラガラでほとんど人がいなかった。 CAの人といえば、イメージとして若くて綺麗な人のイメージだったけど。コンチネンタル航空はそうではなかった。ふつうの人と言ったら失礼だが、少なくてもファッションショーでしゃなりしゃなりと歩くタイプではなかった。

 

席を移りたいと思ってCAに恐る恐るお願いしたら、快く受け入れてくれた。 感じのよさそうな中年のCAさんは対応が友達にしゃべりかける様で、こんなフレンドリーなCA がいるんだなと驚いた。

 

「どうぞお好きな席へ」

 

とジェスチャーを加えて余裕な表情でぼくに言った。

 

アメリカに近づくに連れて、だんだんと文化の違いというものを感じるようになった。

僕はニューヨーク市街の夜景を45度斜めで見た。映画で見たニューヨークの夜景が見える。 空港は街の中心近くにあるので街を旋回してはっきりみることができた。 僕は何とも言えない恐怖感を感じた。

 

「日本を出て絶対成功してやる!」

 

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と思っていたけど、沢山の人が住む夜景を目の当たりにして、こんなに人がいっぱいで能力のあるアメリカ人が沢山住んでいる。僕みたいな日本人が何かをしようとしてるのはまるでばかげたことだと完全に不安にうちのめされてしまった。

 

先ほどの年配CAさんに

「すみません、途中下車していいですか」

と本気でいいたくなった。引き返すのは悪いし、なんなら今この夜景の中を飛び降りたかった。ゆっくりと拘束されて、ニューヨークに降りるなんて耐えられなかった。

 

この恐怖はとてつもないものだったけど、飛行機が着いてから少しこころが落ち着いた。

 

 

飛行場に着くと一体どこに行けばいいのか分からず、少し混乱した。そもそも一人で国内旅行もろくにしたことがなかった。とりあえずは荷物を受け取って、時間がないと思って走り回っていたら、どこにいったらいいかさらにわからなくなった。

 

勇気を振り絞って機長の様なりっぱな感じの人に話しかけた。 ついてきたらいいと言って、彼はゲートまで案内してくれた。 なんか偉い人に案内された気分でとても嬉しかった。 

 

日本人は本当に自信がない。このころは勝手に英語がしゃべれる人、アメリカ人はぼくらより偉いのだと勘違いしていた。 日本人や東洋人はださくて背が低くて意見を言う資格がないと信じてる人はいまだに多いと思う。